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健康創造塾

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■初期のアルツハイマー病、原因物質の除去で回復の可能性 精神・神経医療研究センターが発表

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 アルツハイマー病のごく初期の段階で、病気の原因とされるタンパク質の集合体を取り除けば、脳の神経細胞に起きた異常を回復できる可能性があるとする研究成果を、国立精神・神経医療研究センターなどの研究チームが発表しました。

 この研究を行ったのは、国立精神・神経医療研究センター神経研究所の荒木亘室長(神経科学)らです。

 研究チームではまず、ラットの脳の神経細胞アルツハイマー病の原因とされ、細胞にダメージを与える「アミロイドベータ」というタンパク質が2~30個ほど集合した「オリゴマー」を加え、病気の初期に観察される脳の状態を再現しました。

 そして、ラットの脳の神経細胞を2つのグループに分け、一方は最初に加えたアミロイドベータの集合体であるオリゴマーを取り除かないまま培養、もう一方は、オリゴマーを取り除いた上で2日間培養しました。

 その結果、オリゴマーを取り除かないままだった脳の神経細胞では、病気の症状が悪化していましたが、オリゴマーを取り除いた脳の神経細胞では、病気の初期に観察された細胞のダメージが正常に近い状態に回復していたということです。

 アルツハイマー病では、これまでにも早い段階でアミロイドベータの蓄積を抑える治療の重要性が指摘されていましたが、オリゴマーを取り除けば、初期の症状を改善させられる可能性が実証的に示されたのは初めてだということです。

 人の脳でも、蓄積し始めたごく初期の段階でオリゴマーを除去できれば、治療や予防ができる可能性があります。国内のアルツハイマー病患者は、250万人以上と推定されています。

 現在、オリゴマーの蓄積を防ぐ薬の開発や、蓄積具合を把握して治療開始のタイミングを解明する研究が、世界中で進められています。

 荒木室長は、「認知症は早期発見が重要だ。できるだけ早期に治療を始めれば、病気の進行を防ぎ、回復が見込まれるかもしれない。アミロイドベータの毒性を低減することも治療につながると考えられ、新しい薬の開発を目指したい」と話しています。

 

 2017年2月4日(土)