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■インフルエンザ、全国的に警報レベル 推計患者200万人を超す

 

 1月29日までの1週間に全国の医療機関を受診したインフルエンザの患者は推計201万人に上り、昨年9月以降の今シーズンで初めて200万人を超えたことが、国立感染症研究所の調査で明らかになりました。

 専門家は流行のピークに差し掛かり、しばらく患者の多い状態が続くとして、手洗いなどの対策の徹底を呼び掛けています。

 国立感染症研究所によりますと、1月23日~29日までの直近の1週間に全国およそ5000の医療機関を受診したインフルエンザの患者は、1医療機関当たり39・41人で、これを基に推計した患者数は201万人と前の週に比べて40万人増え、今シーズン初めて200万人を超えました。

 各地の流行状況を表す1医療機関当たりの患者数を都道府県別にみますと、宮崎県が59・08人と最も多く、次いで福岡県が55・10人、愛知県が54・68人、埼玉県が51・68人、千葉県と山口県が51・40人、大分県が51・12人、神奈川県が49・49人などとなっており、2週連続ですべての都道府県で前の週より患者数の報告が増えました。東京都38・73人、大阪府39・80人など計33都府県で、大流行の発生を示す警報レベルの「30人」に達しています。

 冬休みから学校が再開した年明け以降は、子供を中心に感染が拡大。学級閉鎖や病院などでの集団感染も相次いでいます。また、流行のほとんどは高齢者が重症化しやすいとされるA香港型と呼ばれるウイルスのタイプで、入院患者の報告では60歳代以上が全体の7割近くを占めています。

 国立感染症研究所の砂川富正室長は、「全国的に急激に患者が増えていて、流行のピークに差し掛かっていると考えられる。しばらく患者の多い状態が続くので、手洗いやうがいなどの対策を徹底するとともに、発症したら自宅で安静にするなどして感染拡大を防ぐ対策をとってほしい。また、水分がとりづらかったり、息が苦しくなったりするなど重症化のサインがみられたら、速やかに医療機関を受診してほしい」と話しています。

 感染の予防には、ワクチン接種が推奨されています。しかし、ワクチンを接種したのにインフルエンザにかかる人もいます。インフルエンザワクチンの最大の目的は肺炎や脳症といった重症化を防ぐことで、熱やせきなどの症状が出るのを必ずしも防げるものではないため、専門家は「接種後も油断せず、手洗いやうがいなどの対策を徹底してほしい」と注意を呼び掛けています。

 インフルエンザウイルスは口や鼻から体内に侵入し、主にのどや鼻の奥の細胞で増殖します。これが感染と呼ばれる段階で、ウイルスがさらに増殖し、細胞にダメージを与え始めると体の免疫反応などに伴って高熱やせきなどの症状が出て発症します。

 専門家によりますと、ワクチン接種を受けると体内でウイルスを攻撃する抗体と呼ばれる物質が作られ血液を通じて全身に行き渡りますが、インフルエンザウイルスが感染するのどや鼻の奥の粘膜などでは十分な量の抗体ができません。このため、ワクチン接種では、ウイルスの感染を完全に防ぐことはできず、高熱やせきなどが出る発症を抑える効果も一定程度だということです。

 一方、インフルエンザワクチンの効果が大きいとされるのは、ウイルスがさらに体内で増殖を続け、肺炎や脳症といった重い症状を引き起こすのを防ぐ効果で、特にさまざまな病気を抱える高齢者ではワクチン接種が重要となります。実際、高齢者を対象とした研究で、ワクチンの接種を受けるとインフルエンザで死亡するのを80%防げたとする報告もあります。

 このため、法律に基づく定期接種の対象も、65歳以上の高齢者と、60歳から65歳未満の人で心臓や腎臓などに慢性の病気を抱える人となっています。

 感染症の問題に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は、「これから流行のピークを迎えるに当たって、ワクチンを打った人でも発症する可能性があることを自覚してほしい。せっけんを使った手洗いやうがいなどの対策を徹底するとともに、発症してしまったらマスクを着用したり家で安静にするなどして、周りに広げない配慮をしてほしい」と話しています。

 

 2017年2月3日(金)