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■喫煙による世界経済の損失、年間160兆円以上 60歳代での禁煙で死亡リスクが2割低下

 

 喫煙が世界経済に与える損失が2012年に年間1兆4000億ドル(約160兆円)以上に達し、また医療費の20分の1が喫煙の影響によるものだとする研究結果が1月31日、発表されました。

 世界保健機関(WHO)とアメリカがん協会(ACS)の専門家らによると、喫煙による損失は世界のGDP(国内総生産)の2%近くに相当し、そのうちの約40%は発展途上国が負っているといいます。

 損失額のうち治療費や入院費が4220億ドル(約48兆円)を占め、疾病や死亡で労働力が失われることなどによる間接的なコストも含まれています。

 イギリスの医学誌BMJを発行するグループの専門誌「タバコ・コントロール」に掲載された論文は、「喫煙は全世界に大きな経済的負担を課しており、特にたばこが最も普及している欧州と北米で顕著だ」と指摘し、さらに「これらの損失に取り組むため、各国による強力なたばこ規制策の実施が急務であることを、今回の研究は浮き彫りにしている」と述べました。

 論文の執筆者らによると、今回の研究では喫煙による世界の総損失額をより正確に推計するため、従来の富裕国に加え、初めて低・中所得国も対象に含みました。世界の喫煙者の97%を占めるアフリカ、南北アメリカ大陸、地中海東岸、欧州、東南アジア、西太平洋地域の152カ国のデータを分析したといいます。

 一方、アメリカ国立がん研究所などの研究チームは、60歳代になってから禁煙しても死亡リスクは下がるという研究結果を、アメリカの医学誌に発表しました。高年齢層での禁煙の効果を調べた研究は、珍しいといいます。

 アメリカでの大規模な健康調査のデータから、70歳以上の約16万人分を解析した結果、喫煙者の死亡リスクは吸ったことがない人の約3倍でした。禁煙の効果を年代別に調べると、喫煙者に比べ、30歳代で禁煙した場合の死亡リスクは約6割低かったほか、40歳代の禁煙で約5割、50歳代で約4割、60歳代で約2割と、いずれもリスクが低くなっていました。

 研究チームは、「年齢に関係なくすべての喫煙者に禁煙を勧めるべきだ」と指摘しています。

 

 2017年2月1日(水)