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■3人の親を持つ子、ウクライナで誕生 体外受精技術のミトコンドリア置換で

 

 遺伝的に3人の親を持つ子供が生まれる「ミトコンドリア置換(前核移植)」と呼ばれる体外受精技術を使い、不妊治療目的では世界初とみられる男児が、ウクライナの首都キエフ不妊治療施設で生まれたことが明らかになりました。

 複数の欧米メディアが報じました。

 イギリスのBBCによると、第三者の健康な卵子を使った受精卵から核を取り除き、両親の受精卵の核を移植するミトコンドリア置換で妊娠に成功し、今月5日に生まれたといいます。この男児は、両親と卵子を提供した女性の遺伝子を受け継ぐことになります。

 キエフにある私立医療施設「ナディア不妊治療院」の声明によると、34歳の母親は1月5日に健康な男児を出産。母親はそれまで15年以上にわたり、子供をもうけるための努力を続け、体外受精を何度か受けてきましたが、いずれも妊娠には至らなかったといいます。

 今回の出産は、ミトコンドリア置換によって実現しました。この技術で形成された受精卵は、卵子を提供した女性のDNAがごく少量(約0・15%)含まれるだけで、両親の遺伝物質でほぼ完全に構成されました。

 今回の男児は、2016年にメキシコでアメリカの医師らによって生まれた男児に次いで、2人目の「遺伝的に3人の親を持つ」子供と考えられています。メキシコの男児は今回のケースとよく似ていますが、ミトコンドリア置換とは別の核移植技術を用いて誕生しました。

 キエフでは、同じミトコンドリア置換を施した2組目の子が3月初めにも産まれるといいます。

 3人の親による体外受精を用いたミトコンドリア置換を巡っては、イギリスの上下両院が2015年2月、これを可能とする法案を世界で初めて可決しました。昨年12月にはイギリスの受精胎生認可庁が正式に認可し、早ければ今春にも実施されるとみられています。

 ミトコンドリア置換は本来、母性遺伝するミトコンドリア異常から子供を守る目的で開発されたもので、今回の不妊治療への適用について、イギリスの専門家は「科学的に十分に検証されておらず非常に実験的だ」と警鐘を鳴らしています。

 

 2017年1月20日(金)