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■重い眼病「網膜色素変性症」、iPS細胞で再び光感知 世界で初めてマウスで成功

 

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った目の網膜の組織を「網膜色素変性症」という重い目の病気のマウスに移植し、目で光を感じ取れるようにすることに世界で初めて成功したと、神戸市の理化学研究所のチームが発表しました。

 この研究を行ったのは、理化学研究所多細胞システム形成研究センターの万代道子副プロジェクトリーダーらのチームです。チームではiPS細胞から目の網膜の組織を作り出し、網膜色素変性症のため、光を感じ取れなくなったマウス21匹の目に移植しました。

 その結果、網膜組織の移植を受けたマウスのうち、およそ4割に当たる9匹が光を再び感じ取れるようになり、移植した網膜組織が光の刺激に反応して、脳につながる神経に信号を送っていることも確認できたということです。

 iPS細胞から作った網膜組織を使って、光を再び感じ取れるようにする効果が確認できたのは、世界で初めてだということです。

 網膜色素変性症は、日本人のおよそ3000人に1人の割合で起こるといわれ、患者は少なくとも約2万2000人。遺伝子の変異が原因で、一般的に幼年期から思春期ごろ両眼性に発症します。初期は、夜間や暗い場所での視力、視野が著しく衰え、目がよく見えなくなる夜盲、俗に呼ばれる鳥目が主です。進行はゆっくりですが、40~50歳ごろになると、視野狭窄(きょうさく)が顕著なため、竹の筒から外を見るような感じになり、一人で歩くことが困難になり、失明の原因にもなります。

 現段階では移植部分は網膜全体の5%未満で、「少し光がわかり、視野が少し広がる程度だと思う」と、万代副プロジェクトリーダーは説明。

 人のiPS細胞でも検証し、臨床研究を2年以内に申請したいとしており、「この網膜色素変性症で視野の真ん中しか見えなくなったような患者でも、iPS細胞の移植によって視野が開けるように研究を進めたい」と話しています。

 研究成果は、10日付でアメリカの科学誌「ステムセル・リポーツ」電子版に発表されました。

 

 2017年1月11日(水)