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健康創造塾

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■重度肝硬変に回復の道の可能性 大阪大学病院などが新薬治験へ

 

 C型肝炎の進行で肝臓の機能が著しく低下し、肝移植以外に治療法がない重度の肝硬変患者を対象とした国内初の治療薬「ソバルディ」(一般名:ソホスブビル)の臨床試験(治験)が今月、大阪大学病院などで始まります。

 欧米ではすでに承認されており、日本で治る見込みがないとされた患者に回復の道を開く可能性があります。2018年の製造販売承認を目指しています。

 C型肝炎による重度の肝硬変は、非代償性肝硬変と呼ばれ、肝臓が炎症を繰り返して硬くなり、本来備わっている再生能力を失った状態に陥る病気です。腹水、黄疸(おうだん)、脳症などを生じて意識障害が出るため生活に支障を来し、肝がんにもなりやすくなります。患者は国内に2万人とも推計されており、1年以内に約2割が死亡し、3年以内に半数が命を落とすとされます。

 C型肝炎の治療は現在、飲み薬が主流ですが、肝硬変に進行すると軽度な患者にしか処方が認められていません。

 今回の治験はギリアド・サイエンシズ社(本社・アメリカ合衆国カリフォルニア州フォスターシティ)が実施。各地の肝臓病の専門医療機関で、腹水などの症状がある重症患者約100人にウイルスの増殖を妨げる経口タイプの新薬「ソバルディ」を処方。12週間服用し、ウイルスが除去できるかなどを調べます。

 B型肝炎ウイルス感染による重い肝硬変患者には、同様の作用を持つ別の経口薬が使われていますが、ウイルスを消すことで生存期間が延びた事例が多数確認されています。

 主任研究者の竹原徹郎・大阪大学教授は、「個人差はあるだろうが、C型肝炎が進んだ肝硬変でも、薬の治療で肝臓がよみがえる患者が出てくるのではないか」と話しています。

 患者からは、国内でも治験実施を望む声が上がっていました。米沢敦子・東京肝臓友の会事務局長は、「死を恐れながら苦しんでいる患者たちのためにも、一刻も早く薬が使えるようにしてほしい」と求めています。

 

 2017年1月5日(木)