健康創造塾

各種の健康情報を発信

■ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の患者、早めに急増 1週間で約4万人

 

 ノロウイルスなどを原因とする感染性胃腸炎の患者が、例年より早めに11月中旬から急増しています。近年では、最も流行した2012年とほぼ同じペースといいます。

 抵抗力の弱い子供や高齢者は重症化して死に至る恐れもあり、厚生労働省が警戒を呼び掛けています。

 国立感染症研究所によると、ノロウイルスは感染力が強く、1~2日間の潜伏期間を経て嘔吐(おうと)や下痢、発熱などの症状が出ます。手洗いや嘔吐物の適切な処理などを徹底する必要があります。

 全国約3000の小児科から報告された患者数は、集計を終えた11月21~27日の1週間で約4万人、医療機関1カ所当たり12・85人で、2006年以降の同時期と比べると、2006年(19・82人)、2012年(13・02 人)に次いで多くなっています。関西では、奈良県兵庫県大阪府が全国平均を上回りました。

 10月に流行入りして以降、大阪府豊中市では、こども園など2カ所でそれぞれ100人以上が感染。市によると、市保健所ができた2012年度以降では最大規模の集団感染といいます。

 市保健所は今月2日、市内の保育園や幼稚園の担当者を集めて研修会を開き、嘔吐物を処理する場合は、 飛沫(ひまつ)になって飛び散っている可能性があるため、半径2メートルの範囲を次亜塩素酸ナトリウムを含む漂白剤で消毒するよう呼び掛けました。また、ぞうきんなどはなるべく使い捨てにすることや、園児や職員らに手洗いを徹底させることも求めました。

 大阪府藤井寺市の「藤井寺特別養護老人ホーム」では、職員がドアノブや自動販売機のボタン、手すりなどを2時間おきに消毒。トイレ使用後は必ず、手袋をした職員が便座をふき取りする徹底ぶり。奥田益弘理事長は「年中続けて習慣化させることが大事。今年も感染ゼロで乗り切りたい」と気を引き締めています。

 園田学園女子大の山本恭子教授(感染免疫学)は、「予防策として有効なのは手洗いの徹底。タオルを共用せず、ペーパータオルを使うことも効果的だ。感染した場合は、嘔吐や下痢で脱水症状を起こす危険もあり、速やかに医療機関で受診してほしい」と話しています。

 消費者庁が昨年、流行に備えて行ったインターネット調査によると、「食事の前に手を洗う」と答えた人は約53%にとどまり、「トイレの後に手を洗わないことがある」も約15%いました。「嘔吐物を処理した後に洗う」は42%、「おむつ替えやトイレ介助の後で洗う」も33%で低調でした。

 見た目で汚れていなくても、手に付着したウイルスが口から体内に入り、病気に感染する可能性があります。消費者庁は、必ずせっけんでよく手を洗うよう注意を促しています。

 

 2016年12月9日(金)