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■今冬の鳥インフル国内感染、過去最悪ペース 中国から飛来の野鳥が発生源

 

 新潟、青森両県の養鶏場や農場で飼育されている鳥から鳥インフルエンザウイルスが見付かるなど、ウイルスの流行が懸念される中、全国で確認された今冬の国内感染例が過去最悪のペースで推移していることが3日、環境省などのまとめで明らかになりました。

 海外から飛来する渡り鳥などが感染ルートとみられ、日本だけでの感染防止対策には限界があるのが実情で、専門家からは国際的な取り組みの強化を求める声も上がっています。

 環境省農林水産省によりますと、国内で今冬に高病原性鳥インフルエンザウイルスの感染が確認された野鳥などは、鹿児島県でナベヅルなど20件、鳥取、秋田両県でコハクチョウ、コクチョウなど各5件を始めとして、3日現在で37件に上りました。

 1シーズンでの最多は2010~2011年の58件ですが、12月初めの段階での件数は今季が最多で、環境省は「過去最大規模の流行になる恐れもある」として、養鶏場などへ最大級の警戒を呼び掛けています。2010~2011年は家禽(かきん)でも9県の24農場などで確認、約183万羽が殺処分されています。

 11月28日に家禽への感染が今冬初めて確認された新潟、青森両県では3日も、計約54万羽の鶏と計約2万3000羽のアヒルの殺処分や埋却作業が進められ、周辺の幹線道路では通行する畜産関係車両の消毒を24時間態勢で行うなど、感染拡大の防止に躍起です。

 農水省によると、越冬のため、ロシアから中国などを経由して飛来する渡り鳥がウイルスを運んでいるとみられます。野鳥が持ち込んだウイルスは小動物などが媒介して家禽に感染しており、今冬も東北などで鳥インフルエンザに感染した野鳥が確認されました。

 毎年のように感染が確認されている中国などでは、感染防止に有効な殺処分をせず、ワクチン接種で対応しているためにウイルスを排除しきれず、中国の国内外に感染が広がっていると見なされています。

 京都産業大学鳥インフルエンザ研究センターの大槻公一センター長によると、中国などでは家禽数が多い上、管理された施設ではなく個人で飼育しているケースが多く、「事実上、野放し状態」といいます。世界で確認されている高病原性H5型の亜種は、ほぼ中国が発生源とみられています。

 今秋以降、日本への渡り鳥の飛来ルートにある韓国でも鳥インフルエンザが拡大しており、新潟、青森両県で確認されたウイルスは韓国と同じH5N6型でした。同型の感染拡大は、中国内でも10月に確認されています。

 日韓両国では鳥インフルが確認された場合、互いに通報するルールがあり、今回も韓国からの通報に基づき、農水省が11月中旬に注意喚起していたものの、防ぐことができませんでした。

 大槻センター長は、「現在、かつてないほどの感染が世界的に流行している。一国だけでの対応には限界がある」として、足並みをそろえた国際的な対応を求めました。

 人への感染の恐れが基本的に少ない鳥インフルエンザが警戒されるのは、人から人へ感染する新型インフルエンザへ突然変異する可能性があるからです。

 

 2016年12月4日(日)