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■がん細胞への攻撃力、数十倍 京大がiPSから免疫細胞を作製

 

 人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から、がん細胞を高い精度で認識し、攻撃力を数十倍強めた免疫細胞を作製することに成功したと、京都大学などの研究チームが発表しました。

 研究チームは、この免疫細胞を使って血液のがんである白血病患者を治療する計画を進め、2019年の臨床試験(治験)開始を目指しています。論文は22日、アメリカの医学誌電子版に掲載されました。

 京都大学の河本宏教授(免疫学)らは2013年、人のiPS細胞から、がん細胞を攻撃する免疫細胞の一種「キラーT細胞」を作製することに成功しました。

 キラーT細胞は、細胞表面にある分子の違いで攻撃相手を見分けますが、iPS細胞から作ったキラーT細胞は分子を認識する力が弱く、そのままでは医療応用が難しいという課題がありました。

 今回、iPS細胞をキラーT細胞に変える途中で、質の良い細胞だけを取り出すなど培養方法を改良し、攻撃力の強いキラーT細胞を作製することに成功。さらに、白血病などに高頻度で出現するタンパク質「WT1抗原」に反応するタイプのキラーT細胞を作製し、実際に白血病細胞だけを攻撃する能力が高いことを確認しました。

 実験では、このタイプのキラーT細胞を人の白血病細胞を移植したマウス15匹に投与したところ、4匹が150日以上生存しました。投与しなかったマウスは、75日以内に15匹とも死にました。

 iPS細胞はほぼ無限に増やせるため、たくさんのキラーT細胞を作製できます。

 河本教授は、「治験に向け、さらに安全性を検証したい。反応するタンパク質を変えたりして、ほかのがんへの応用も考えたい」と話しています。

 

 2016年11月22日(火)