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健康創造塾

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■がん治療薬「オプジーボ」、来年2月に半額へ 患者急拡大で中医協が了承

 

 高額な肺がんなどの治療薬「オプジーボ」(一般名・ニボルマブ)について、厚生労働大臣の諮問機関である中央社会保険医療協議会中医協)は16日の総会で、来年2月から薬価を50%引き下げることを了承しました。

 皮膚がん、肺がん、腎臓がんの治療薬であるオプジーボは、肺がんの場合には体重60キロの男性患者が1年間使用すると、およそ3500万円かかると試算され、国の医療保険財政を圧迫しているとして、再来年4月の定例の薬価改定を待たず、緊急的に薬価を引き下げることになっており、引き下げ幅が焦点となっていました。

 16日に開かれた中医協で、厚生労働省はオプジーボについて、今年度の年間販売額を追加された薬の効能を考慮して試算し直した結果、1500億円を超えると推計できるとして、当初の予測より販売額が拡大した場合の「市場拡大再算定」というルールを適用し、価格を50%引き下げる案を示しました。また、引き下げは、来年2月から行うとしています。

 これに対し、出席者からは「企業活動に大きなダメージを与えかねない。試算の仕方は本当に問題ないのか」という指摘が出されましたが、最終的に、中医協として価格を50%引き下げることを了承しました。

 オプジーボを開発した小野薬品工業は、「本来の改定時期である再来年度、2018年度の薬価引き下げは想定していたが、時期が早まったことで、企業に想定外のマイナスが出ることとなった。唐突なルールの変更は、企業の予見性を損ねるため、制度の見直しを求めたい」と述べました。また、今回の引き下げについて、来週22日までに厚労省に不服意見を提出できることについて、「内容を精査し、検討したい」としています。

 大企業のサラリーマンらが加入する健康保険組合連合会の幸野庄司理事は、「市場規模が30倍程度に増え、前提が大きく変わったのだから、見直すのは正しい方向だ。薬の値段は、国民の税金や保険料で賄われており、限りがあるので、こういったシビアな対応が今後も必要になってくる」と述べました。

 オプジーボは、体の免疫機能を高めて、がん細胞を攻撃する新しいタイプのがん治療薬。手術ができないほど進行したがんを縮小させるなど、これまでの抗がん剤にはなかった治療効果が確認されています。遺伝子組み換え技術などを応用し、微生物や細胞が持つタンパク質を作る力を利用して製造される「バイオ医薬品」です。

 2014年9月の発売当初は、皮膚がんの一種であるメラノーマの治療薬として承認され、年470人程度の患者で採算がとれるように価格が高めに設定されました。その後、患者数の多い肺がんの一種である非小細胞肺がんや、腎臓がんの一種である腎細胞がんにも使えるようになって、対象患者が約1万5000人に広がり、販売額が急増しました。

 

 2016年11月17日(木)