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■細胞を若返らせ肝臓を再生 国立がん研究センター、動物実験で成功

 

 肝臓の細胞に3種類の特殊な化合物を加えることで、肝細胞のもととなる「肝前駆細胞」に若返らせることにネズミを使った実験で成功したと、国立がん研究センターの研究チームが14日、発表しました。

 この肝前駆細胞遺伝子組み換えにより慢性肝炎にしたネズミの肝臓に移植したところ、肝前駆細胞が増殖して肝臓の細胞に変化し、8週間後には、最大で肝臓の細胞の9割を再生させて肝臓の働きが正常に戻ったということです。安全性の面でも問題は起きませんでした。

 人でも成功すれば、肝臓がんや肝硬変など重い肝臓病の再生医療に道が開けます。  

 研究チームによりますと、重い肝硬変や肝臓がんの患者の中には、肝臓の移植手術で命を救えるケースがありますが、ドナー不足のため国内ではおよそ13%の患者しか移植を受けられていないということです。

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)から肝臓のもとになる細胞を作って移植する治療の研究も進んでいますが、うまく再生できていないといいます。また、遺伝子を導入して作製するため、移植した細胞ががんになる懸念もあります。

 国立がん研究センターの落谷孝広・分子細胞治療研究分野長は、「肝臓移植に代わる新たな治療法となるよう、さらに安全性を確かめる研究などを進めていきたい。肝臓だけでなくさまざまな臓器にも応用できる可能性がある」と話しています。

 研究成果は、アメリカの科学誌電子版に掲載されました。

 

 2016年11月15日(火)