健康創造塾

各種の健康情報を発信

■骨髄バンク、移植2万件達成 赤字で移植患者の負担金値上げも

 

 白血病など骨髄移植が必要な患者のためにドナー(提供者)を登録、仲介する日本骨髄バンク(東京都千代田区)は20日、バンクを介した非血縁者間の移植数が2万件になったと発表しました。

 1991年の発足以降、登録されたドナーは累計約68万人。現在は約46万人で、日本人の96%が移植を受けられるといいます。

 19日までに、骨髄移植が1万9768件で実施されたほか、2010年から可能になったドナーの血液中の幹細胞を移植する末梢(まっしょう)血幹細胞移植が232件で実施されました。1993年1月の初移植から1万件までは16年かかりましたが、ドナーの増加や患者の費用負担の軽減で、2万件までは8年弱で達成。

 2万件の移植は、日本に先駆けてバンクが設立されたアメリカに次ぐ件数で、韓国、台湾、中国を大きく上回ります。

 斎藤英彦理事長は、「骨髄移植は最も実績のある再生医療。2万人の患者に命をつなぐチャンスを提供することができた。ドナーの方を始め協力いただいた人に深く感謝する」と話しています。

 ただ、日本骨髄バンクに登録されたドナーの平均年齢は40歳代と高齢化しているほか、国の補助金などの公的な収入が7割にとどまるなど、財政基盤に課題も抱えています。

 年間の移植数は2012年に1360件でピークとなった後、新生児のへその緒の血を備蓄するさい帯血バンクの利用が増え、2015年には移植数は1268件に減ったため、日本骨髄バンクでは医療保険からの収入や斡旋(あっせん)手数料などの患者負担金が減り、2014年度は約1億円、2015年度は約1700万円の赤字決算となりました。

 今年度も、必要経費15億4500万円のうち約4000万円について財源の裏付けのない赤字予算を余儀なくされました。

 当面は職員の賞与カットなどの経費節減や積立金の取り崩しでしのぐ方針ですが、2018年度からの診療報酬の引き上げを国に働き掛ける一方、将来的には移植を受ける患者が支払う負担金の値上げも検討します。

 斎藤理事長は、移植数が右肩上がりだった時に患者負担金を値下げしてきた経緯を踏まえ、「値上げは避けられない気がする」と話しました。

 これに対し、経済的に苦しい移植患者を支援する「全国骨髄バンク推進連絡協議会」の野村正満理事長は、「財政が苦しいからといって、真っ先に患者負担金を引き上げるのは、少し違うのでは」と懸念を示しています。

 

 2016年10月20日(木)