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■日本初の卵巣バンク、全国4施設で構築 がん患者の卵巣組織を凍結保存

 

 がんの治療で不妊になるのを避けるため、治療前に卵巣の1つを採取し、卵子をつくる卵巣組織を全国4カ所でまとめて凍結保存する「卵巣バンクネットワーク」を構築したと、不妊治療診療所を経営する「レディースクリニック京野」(仙台市)が27日、発表しました。

 卵巣の摘出や、治療後に卵巣組織を患者の残った卵巣に戻すのを担当する13医療機関と提携し、今後さらに増やしていきます。保存施設は、日本産科婦人科学会に認められれば、5月中にも開設したいといいます。

 卵巣凍結は、すぐにがんの治療を始めなければならない患者や、卵子を採取できない子供の患者のために試みられており、将来的に妊孕(にんよう)性を温存する選択肢を提供することが目的となっています。

 妊孕性を温存する方法としては、ほかに卵子凍結や受精卵凍結がありますが、卵巣凍結は未婚者・既婚者ともに可能で、0歳~37歳以下(再移植は45歳未満)と適用年齢が早く、治療期間は2、3日間ですみ、体外受精・顕微授精のほか自然妊娠も可能となります。

 なお、卵子凍結や受精卵凍結の場合、対象年齢は13歳以上(卵子凍結は未婚者で40歳まで、受精卵凍結は既婚者で45歳まで)、治療期間は2週間必要で、受精・妊娠は体外受精・顕微授精となります。

 その一方で、卵子凍結や受精卵凍結であれば融解後の生存率は90パーセント以上と高いものの、卵巣凍結の場合は50~80パーセントと低くなります。しかし、卵巣凍結であれば多数の卵胞を保存することが可能となるため、生存率の低さをカバーできるといいます。

 レディースクリニック京野によると、現在、卵巣凍結を導入しているのは大学病院など全国15施設。長期間の保存には経費がかかるため、保存を4施設が担うことで、ほかの医療機関も卵巣凍結に取り組むことができ、患者が受けやすくなるとしています。

 保存施設は、京野アートクリニック(宮城県)、京野アートクリニック高輪(東京都)、杉山産婦人科(東京都)、関西地方の1施設(名称は非公表)。

 卵巣の摘出などを担当するのは公表分では、東邦大学医療センター大森病院(東京都)、聖路加国際病院(東京都)、杉山産婦人科(東京都)、JCHO群馬中央病院(群馬県)、兵庫医科大病院(兵庫県)、空の森クリニック(沖縄県)、エフ.クリニック(青森県)。

 

 2016年4月29日(金)