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急性副鼻腔炎

 

ウイルスや細菌が鼻腔に感染して炎症を起こし、副鼻腔にまで及ぶことで起こる急性の炎症

 急性副鼻腔炎(ふくびくうえん)とは、主に風邪などでウイルスや細菌が鼻腔に感染して炎症を起こし、それが副鼻腔にまで及ぶことで起こる急性の炎症。

 鼻の穴である鼻腔の周囲には、骨で囲まれた空洞部分である副鼻腔が左右それぞれ4つずつ、合計8つあり、自然孔という小さな穴で鼻腔とつながっています。4つの副鼻腔は、目と目の間にある篩骨(しこつ)洞、その奥にある蝶形骨(ちょうけいこつ)洞、目の下にある上顎(じょうがく)洞、鼻の上の額にある前頭(ぜんとう)洞です。

 4つの副鼻腔は、強い力が顔面にかかった時に衝撃を和らげたり、声をきれいに響かせたりする働きを持つとされますが、その役割ははっきりとはわかっていません。鼻腔や副鼻腔の中は、粘膜で覆われており、粘膜の表面には線毛と呼ばれる細い毛が生えています。線毛は、外から入ってきたホコリやウイルス、細菌などの異物を粘液と一緒に副鼻腔の外へ送り出す働きを持っています。

 急性副鼻腔炎になると、こうした機能が働かなくなり、風邪のウイルス感染に引き続いて細菌感染が起こり、細菌が繁殖して炎症を起こします。原因菌としては、肺炎球菌、インフルエンザ菌ブドウ球菌などが挙げられます。

 急性副鼻腔炎の初期の段階では、水っぽい鼻水が出ますが、症状が進むにつれて副鼻腔の中に膿(うみ)がたまると、粘り気のある黄色っぽい鼻水が出ます。鼻水に悪臭を伴うこともあります。この粘性の高い鼻水が粘膜がはれた鼻腔に詰まると、鼻詰まりが生じます。

 頭痛や顔面痛などの急性症状も起こります。痛みの出る部位は、炎症の起こっている部位によって異なります。篩骨洞に炎症が起きた時は目のあたりに痛みを感じ、蝶形骨洞に炎症が起きた時は頭痛や頭の重い感じが現れ、上顎洞の炎症では頬(ほお)や歯に痛みを感じ、前頭洞の炎症では額に痛みを感じます。

 炎症が喉(のど)に広がったり、鼻水が喉に流れると、せきやたんが出ます。

 まれに、副鼻腔の炎症が目や脳に進むことがあり、目に及ぶと瞼(まぶた)がはれたり、視力が落ち、脳に及ぶと強い頭痛や意識障害が起こります。

 通常は、1~2週間、長くても30日以内で治ります。

 時に、この急性副鼻腔炎が長引いたり、繰り返したりすることによって3カ月以上症状が続くと、蓄膿(ちくのう)症とも呼ばれる慢性副鼻腔炎を発症します。この慢性の炎症がさらに長引くと、副鼻腔の分泌液の量が増えたり、その粘度が高くなったりして、自然孔より排出されずにたまり、状態を悪くすることにつながります。さらに、たまった分泌液により粘膜肥厚が起こると、排出がより困難となる悪循環に陥ります。

 なお、風邪のウイルス感染に引き続く細菌感染が原因で起こる一般的な急性副鼻腔炎とは別に、咽頭(いんとう)炎や扁桃(へんとう)炎などの喉の炎症、カビの仲間である真菌、虫歯なども、急性副鼻腔炎の原因となることがあります。また、細菌感染のないアレルギー性鼻炎気管支喘息ぜんそく)、アスピリン喘息などのアレルギーによって起こる疾患が、急性副鼻腔炎の原因となることもあります。

 一般的な急性副鼻腔炎では、自分でよく鼻をかんで鼻の中の膿を減らし、睡眠を多くとって体の抵抗力を上げることが大切です。鼻水の量が増えたり、においがひどくなったり、痛みが増すようなら、耳鼻咽喉(いんこう)科、耳鼻科を受診して早く治療し、慢性副鼻腔炎の発症を防ぐことが必要です。

急性副鼻腔炎の検査と診断と治療

 耳鼻咽喉科、耳鼻科の医師による診断では、自覚症状を問診した上で、X線(レントゲン)検査を行います。通常であれば、空洞であるはずの副鼻腔は黒く映り、骨は白く映りますが、副鼻腔炎になると、黒く映るはずの副鼻腔が白く映ります。これは、粘膜がはれたり、膿がたまったりして空洞が埋まっているためです。

 また、炎症を起こしている部位やその程度をより詳しく調べために、CT(コンピュータ断層撮影)検査を行うこともあります。

 鼻鏡や内視鏡を使って、粘膜がはれて鼻腔が狭くなっていないか、副鼻腔から膿が出ていないかなど、鼻腔や副鼻腔の状態を確認する場合もあります。

 炎症の原因となっている細菌の種類を調べるために、吸引装置や細長い綿棒を使って、鼻腔、あるいは喉の奥にある分泌物を採取して細菌検査を行うこともあります。

 耳鼻咽喉科、耳鼻科の医師による治療では、鼻腔にたまった鼻水を吸引装置を使って取り除き、原因菌に有効な抗菌薬と、痛みを和らげるための消炎鎮痛薬を投与します。抗菌薬を続ける期間は、一般的に2週間以内です。

 そのほかに、たんや鼻水を出しやすくする気道粘液修復薬、気道粘液溶解薬、気道潤滑薬などが使われます。血管収縮薬をスプレーして鼻腔と副鼻腔をつないでいる自然孔の狭まりを軽減し、抗菌薬などの薬の液を霧状にしたものを鼻などから吸い込むネブライザーを行うこともあります。

 最も大きな副鼻腔である上顎洞に炎症がある場合には、鼻の粘膜に麻酔をかけ細い管を鼻腔から副鼻腔に入れたり、上顎洞に針を刺したりして、生理食塩水を注入し、洞内を洗浄することもあります。