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■ジカウイルス、アフリカで発見以降アジア系統に大きく進化 米中が研究

 

 蚊が媒介するジカウイルスは、アフリカのウガンダの「ジカの森」にいたアカゲザルから初めて発見された1947年以降、大きな進化を遂げていたとする研究論文が15日、専門誌「セル・ホスト・アンド・マイクローブ」に掲載されました。

 ジカウイルスが出生異常を起こす能力を獲得した経緯の解明に道を開く可能性がある成果です。

 研究を行ったのは、アメリカのカリフォルニア大学ロサンゼルス校と中国医学科学院、北京協和医院の研究者ら。

 人から採取した30種、蚊から採取した10 種、サルから採取した1種のジカウイルスの株41種を比較したところ、アフリカ系統とアジア系統との間に「過去半世紀でアミノ酸ヌクレオチド配列に著しい違い」が生じていたことがわかったといいます。

 遺伝子的に見ると、人から採取されたジカウイルスは、1968年にナイジェリアで発見されたものよりも、1966年にマレーシアで発見されたものに似ていました。このことは、アジア系統のジカウイルスが進化して現在流行しているウイルスになったことを示唆していると、研究論文は指摘しています。また、

 2015~2016年に人間から見付かったジカウイルスはいずれも、2013年に仏領ポリネシアで流行したものと最も近い関係にあるとみられるといいます。

 研究チームは、人から採取されたアジア系統のジカウイルスと蚊から採取されたアフリカ系統のジカウイルスでは、ウイルスに含まれる「prM」というタンパク質が大きく異なることも発見しました。

 研究に参加したカリフォルニア大学ロサンゼルス校のジェンホン・チョン教授(微生物学・免疫学・分子遺伝学)は、「ジカウイルスの人間への感染が南北米大陸で拡大した理由の少なくとも一部は、このようなジカウイルスの変化で説明できるだろう」と述べました。

 蚊が媒介するウイルスで、先天異常の小頭症の原因となるものは、これまで知られていませんでした。ジカウイルスが胎児の先天異常を引き起こす理由を正確に明らかにするには、さらなる研究が必要だといいます。

 ジカウイルス感染の中心地となっているブラジルでは、昨年以降に生まれた小頭症の新生児は数千人に上るとみられています。専門家によると、昨年から今年にかけて感染が拡大しているジカウイルスの株は、まだ蚊から分離されるには至っていません。米国の保健衛生当局によると、性交渉でも感染するジカウイルスのワクチン開発は、数年先になると予測されています。

 

 2016年4月16日(土)