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■人工知能で自閉症を判定 医師の診断と8割一致、東大など

 

 発達障害の一種「自閉症スペクトラム」を脳活動のパターンから見分ける方法を、東京大学昭和大学、国際電気通信基礎技術研究所(京都府)の研究チームが、人工知能(AI)を使って開発しました。

 診断の迅速化や、新しい治療薬の開発につながる成果として注目されています。イギリスの科学誌ネイチャーコミュニケーションズ(電子版)に14日、発表されました。

 自閉症アスペルガー症候群などの自閉症スペクトラムは、ほかの人との円滑なコミュニケーションに難しさを抱えることなどが特徴で、全国におよそ100万人いるとされていますが、人によって症状が異なります。そのため、医師が問診や行動観察を行っても、正確な診断が難しいという課題があります。

 研究チームは、血圧や血糖値などのような客観的な指標を開発するため、自閉症スペクトラムの人74人とそうでない人107人の計181人の安静時の脳活動を10分間、機能的磁気共鳴断層撮影(fMRI)を使って調べました。脳を140カ所の領域に分け、fMRIで得られた各領域のデータについて、領域間ごとの相関関係を独自に開発した人工知能を使って解析。

 その結果、計9730通りの領域ペアのうち、自閉スペクトラムの人は16通りの領域ペアを結ぶ回路が同じタイミングで活動を強めるなど、症状のない人と比べて相関関係が強いことが判明し、16通りの領域ペアのパターンを見れば自閉症スペクトラムが判別できる可能性が示されました。

 実際に16通りの領域ペアの相関を数値化して181人を判定してみると、自閉スペクトラムと医師に診断された人の85パーセントを正確に判定できました。アメリカで公表されているfMRIのデータで検証すると、自閉スペクトラムと診断された人の75パーセントを正確に判定できました。

 国際電気通信基礎技術研究所の川人光男・脳情報通信総合研究所長は、「人工知能を使った指標の開発は精神疾患にも応用することが可能で、脳のどの部分に働きの違いがあるか、一人一人、具体的に特定できるようになるので、それぞれの人に合った非常に的確な診断や治療につなげられる可能性がある」と話しています。

 

 2016年4月15日(金)