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■肝臓がん、遺伝子異常で6タイプに分類 異なる生存率

 

 日本人の肝臓がん患者300人のがん組織のゲノム(全遺伝情報)を解読したところ、ゲノムの異常から6つのタイプに分けられ、生存率が異なることがわかりました。

 理化学研究所国立がん研究センター東京大学などの研究チームが11日付のアメリカの専門誌ネイチャージェネティクスで発表しました。

 日本では、年間約4万人が肝臓がんと診断され、3万人以上が亡くなっています。特に、日本を含むアジアで発症頻度が高く、主な原因は肝炎ウイルスの持続感染で、B型やC肝炎ウイルスの感染に伴う慢性肝炎から、肝硬変を経て、高い確率で肝臓がんを発症します。

 治療法にはさまざまな方法がありますが、その効果は十分ではなく、ゲノムに基づく発がん分子メカニズムの解明は、がんの診断や予防、治療法開発につながる可能性があります。

 この研究は、2008年に発足した「国際がんゲノムコンソーシアム」と呼ばれる国際共同研究の一環。肝臓がん患者300人のがん組織と血液からDNAを抽出し、次世代シーケンサーと呼ばれる解析装置でゲノムを解析して比較しました。

 1つのがん組織で見付かったゲノムの異常は、平均約1万カ所。肝臓がんの発生にかかわることが知られている遺伝子異常のほか、これまで知られていなかった新しいがん関連遺伝子も10個以上見付かりました。

 がんの進行にかかわる遺伝子異常などを基に6つのタイプに分けることができ、患者の5年生存率をみると0パーセントから85パーセントまでタイプごとに違いがありました。

 今後、さらに研究を進めると、がんの原因となるウイルス感染やアルコール性肝障害の有無にかかわらず、がんの悪性度を予測できる可能性があるといいます。

 また、がん組織ではB型肝炎ウイルスの遺伝子がDNAに組み込まれているケースのほか、人に感染してもほとんど症状が出ない「アデノ随伴ウイルス」が組み込まれている例も見付かりました。ウイルスが組み込まれた周辺の遺伝子の働きが変わり、がん化にかかわることが示されました。

 国立がん研究センターの柴田龍弘分野長は、「がんになる仕組みが解明されると、新たな治療法や予防法の開発につながる可能性がある」と話しています。

 

 2016年4月12日(火)