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■抗菌薬の重複処方7・4パーセント 京大、124万人レセプト調査

 

 抗菌薬(抗生物質)を複数の医療機関から重複処方されている患者の割合は、抗菌薬を処方された患者全体の7・4パーセントであることが、京都大医学研究科の中山健夫教授と高橋由光講師らの調査でわかりました。

 高橋講師は、「医療機関同士の情報共有が不足しているのではないか。重複処方がすべて不適切とはいい切れないが、減らせる処方はあるはず」としています。

 不必要な薬剤使用の防止が課題となる中、薬剤全般の重複処方に関する大規模で包括的な研究は初めて。医療政策学の国際専門誌に発表しました。

 研究チームは、各企業でつくる健康保険組合の加入者ら124万人のレセプト(診療報酬明細書)から、2012年12月の1カ月間に加入者が外来で処方された全薬剤を分析しました。

 その結果、全身用抗菌薬やせき止め薬が、処方された薬の上位の二つを占め、重複処方されている割合もそれぞれ7・4パーセント、8・5パーセントと、上位二つであることを突き止めました。65歳以上では薬剤全体で、重複処方の割合が低いこともわかりました。

 転売目的の重複処方が問題となった向精神薬についても調査し、10医療機関以上から向精神薬を処方されている患者が2人いることが判明しました。ただし、多数の医療機関から処方を受けた理由はわからないといいます。

 高橋講師は、「抗菌薬やせき止め薬は医師が簡単に処方する傾向が推測できる」と指摘しています。

 近年、安易な抗菌薬投与が薬剤耐性菌を生じさせるとして問題となっており、厚生労働省も今月、2020年までに抗菌薬の使用を3分の2に減らす目標を盛り込んだ行動計画を明らかにしています。国が薬剤耐性菌に関する行動計画を作るのは初めてで、世界保健機関(WHO)が各国に計画策定を求めていました。

 

 2016年4月10日(日)