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■iPS細胞から移植可能な心臓の筋肉細胞を開発 慶大の研究グループ

 

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)から人に移植が可能な純度の高い心臓の筋肉細胞を高純度で作り出すことに慶応大学医学部の研究グループが成功したと1日、米科学誌セル・メタボリズムに発表しました。

 研究グループは、患者への移植手術を安全に行えるめどがついたとして、臨床研究の実施に向けた大学内での手続きを来年にも始めることを明らかにしました。

 この研究を行ったのは、慶応大学医学部の福田恵一教授(循環器内科)らの研究グループ。

 研究グループでは、これまでiPS細胞から90パーセント以上の割合で心臓の筋肉になる心筋細胞を作り出すことに成功していましたが、これらの心筋細胞を大量にブタに移植すると、ごくわずかに残った未分化なiPS細胞が腫瘍を作ることがありました。

 このため研究グループは、特定のアミノ酸を除いた培養液を使ってiPS細胞から心筋細胞を作り出したところ、ごくわずかに残っていた未分化なiPS細胞は死滅し、安全性の高い心筋細胞を作り出すことに成功したということです。

 研究グループは、重い心臓病の患者を対象にした臨床研究を安全に行える水準に達したとしており、来年にも再生医療の安全性を調べる大学内の委員会に、臨床研究の申請をするといいます。

 心臓は心筋を作っている心筋細胞が収縮して拍動することで、全身に血液を送り出します。心筋細胞が病気で失われると、心筋の収縮する力が低くなってしまいます。

 福田教授は、「人への応用が可能なレベルの心筋細胞を効率よく作ることができる技術で、非常に大きなステップだ。心臓移植以外には治療法のない重い心不全の患者を救う治療を実現したい」と話しています。

 計画では、人のiPS細胞から心筋細胞を作って大量に培養。手術で、心臓の心筋内に心筋細胞が約1000個集まった直径150マイクロメートルの塊を多数注射して、移植します。

 

 2016年4月1日(金)