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■思春期・若年成人の白血病の原因となる新たながん遺伝子発見 東大、治療薬開発に期待

 

 思春期・若年成人といわれる15~39歳に最も多いがんの一つ「急性リンパ性白血病」の原因となる新しいがん遺伝子を、東京大学の間野博行教授(細胞情報学)らのチームが見付けました。

 この病気の大半を占める型では、19種類のがん遺伝子(全体の約65パーセント)を特定できたといい、新たな診断や治療薬の開発が期待されます。

 29日付でイギリスの科学誌ネイチャー・ジェネティクス(電子版)に掲載されました。

 間野教授らは、思春期・若年成人の代表的ながんで、9割以上が原因不明とされるB細胞性の急性リンパ性白血病に着目。名古屋大病院などの患者73人の細胞をゲノム(全遺伝情報)を速く解読できる「次世代シーケンサー」と呼ばれる装置で解析しました。

 その結果、健常者では発現せず、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーという遺伝性の特定の病気で細胞死を誘導する特定の遺伝子「DUX(ダックス)4」が、別の遺伝子「IGH」と融合すると、がん化することがわかりました。この特定の遺伝子DUX4とがんとのかかわりは知られていませんでしたが、マウスの実験でも確認されたといいます。

 この特定の遺伝子DUX4のほか、18種類の融合遺伝子ががん化することが確認できました。こうしたがん遺伝子の働きを阻害する薬を開発すれば、効果的な治療薬になると考えられており、間野教授は「診断では1年後の実用化、治療では数年後の臨床試験を目指したい」と話しています。

 思春期・若年成人は他の世代と比べ、がん全体の5年生存率の改善がほとんどなく、「忘れられたがんの世代」と呼ばれます。成人での年間発症率が10万人に1人とされる急性リンパ性白血病のほか、脳腫瘍、肉腫のがんが多いとされます。

 

  2016年3月29日(火)