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■出産後しばらくして新生児が脳性まひに 5年間で188人

 

 出産直後には異常がなかったのに、しばらくして脳性まひになったという新生児が、2015年までの5年間に全国で188人に上ることが28日、日本医療機能評価機構(東京都)の専門家で作る委員会の調査で初めてわかりました。

 母親と一緒に病室にいる時に異常を起こしたケースもあり、委員会では安全を確保するためのガイドラインを関連する学会に作成するよう要望しました。

 この調査は、新生児が出産時に重い脳性まひになった場合に補償金を支払う「産科医療補償制度」で再発防止策を検討している委員会が行ったもの。

 2015年までの5年間に生まれ、その後、脳性まひとなった793人の新生児を詳しく調べたところ、出産直後には異常がみられなかったのに、出産から5分以上が経過して異常が現れ、重い脳性まひになったという新生児が、全国で188人に上ることがわかりました。また、このうち18人は、母親が抱っこして一緒に病室にいる「早期母子接触」中に異常が起きていました。

 早期母子接触は母子の心身安定につながるといった利点も指摘されていますが、生後25分の新生児に帽子をかぶせブランケットを掛けた状態で母親が抱っこしていたところ、30分後に心肺停止が確認され、低酸素性虚血性脳症を発症して脳性まひになった事例などがありました。委員会はこの事例の原因について、「特定できないが、誤嚥で気道がふさがれたり、呼吸中枢が未熟だったりしたことも考えられる」と説明しています。

 このため委員会では医療機関に対して、新生児の体温や皮膚の色などで異常に気付けるよう、事前に母親に説明しておくことなどを提言した上で、関係する学会に対して、新生児の呼吸状態をモニターで監視するなど、安全を確保するためのガイドラインを作成するよう要望しました。

 再発防止委員会の委員長の池ノ上克宮崎大学学長は、「異常が現れるのが出産後しばらくたってからというケースがこれだけあると初めてわかり、驚いている。原因をさらに詳しく分析し、学会などでガイドラインの作成に当たってほしい」と話しています。

 2016年3月29日(火)