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夜間熱中症

 

夜間に発症する熱中症で、熱帯夜が多い年に多発

 夜間熱中症とは、夕方5時以降の夜間に発症する熱中症のこと。熱中症は、暑さによって体温調節がうまくいかず、体内に熱がこもることで起こる急性の障害の総称です。

 熱中症というと日中の炎天下や蒸し暑い時の外出中、スポーツ中、作業中に発症するものが多数を占めますが、2010年の東京都の発表では、熱中症による死亡者の4分の1は夜間に亡くなっています。

 そもそも真夏日や熱帯夜が多い年は、熱中症で亡くなる人も増えます。一般的には、最高気温が25度を超えると発症者が現れ、30度を超えると熱中症で死亡する人の数が増え始めるといわれています。

 気温が低くても、湿度が高ければ、汗が蒸発しにくくなって体内の熱がうまく放熱できなくなるため、熱中症の危険が高くなります。例えば、気温が25度以下でも、湿度が80パーセント以上ある時は、注意が必要となります。

 また、風が弱い時は、汗をかいても体にまとわりついて蒸発しにくくなって、体温を下げる効果を弱めてしまうため、体に熱がこもりやすくなるので危険です。

 症状を3段階に分けると軽症では、めまいやこむら返りが起こります。中等度は頭痛、嘔吐(おうと)、倦怠(けんたい)感、重症の場合は意識障害や肝、腎(じん)機能障害などが起こり、最終的に呼吸停止、心停止に至ることもあります。熱中症の初期症状はめまいや、頭痛、吐き気などで、特有の症状ではないので気付きにくいとされます。

 夜間熱中症の場合は、室内にいても発症します。特に都会では、ヒートアイランド現象により夜間になっても気温が下がりにくく、日中の熱が建物の壁などに吸収されて室内にこもりやすくなります。そのため、気密性が高い最近の住宅では、室内はサウナのような状態となり、就寝している間に知らず知らずに発症することになり、命を落とす高齢者が続出しています。

 高齢者は体温調節機能が低く、体に熱がこもりやすい上、暑さやのどの渇きを感じにくいため、熱中症や夜間熱中症になりやすくなります。

 高齢者の中には、エアコンは体に悪いと誤解して全く使わなかったり、トイレが近くなるからと水分を取らない人もいます。また、防犯の観点から、窓を閉め切って眠ってしまう人もいます。そのような状態での睡眠中は、水分を取ることができないので、脱水状態となり、朝起きた途端に意識障害や心疾患などが起こってしまう危険もあります。

夜間熱中症の予防法

 夜間熱中症を防ぐためには、まず、こまめに水分を取ること。のどが渇いた時にはすでに脱水に近い状態になっているといわれ、補給した水分が体全体に運ばれるまでには時間差があるので、早め早めに水分補給をすることが大切です。のどの渇きを感じた時だけガブガブ飲むのではなく、のどが渇く前に少量の水を取るようにするとよいでしょう。

 特に、夜眠る前と朝起きた時の水分補給は忘れずに。風呂に入る時も水分が失われやすいので、入浴前後に水分を取り、40度以下のぬるめの湯で、あまり長湯にならないようにしましょう。寝ている間にもかなりの水分が失われますので、枕元に飲料を置いて水分の補給に努めましょう。

 また、汗と一緒に体のミネラルが不足してしまうので、塩分や糖分も適度に補給するとよいでしょう。真水(軟水)だけではなく、ミネラルウォーター(硬水)、麦茶、梅干入りの水、スポーツドリンクを時々飲むようにすると、手軽にミネラルが補給できます。

 ただし、冷たい水やビール、コーヒーなどの飲みすぎには注意を。冷水は胃の調子を悪くしたり、体の冷えの原因になることがあり、ビールやコーヒーなどは利尿作用が強く、脱水を進めてしまうことがあるからです。

 水分補給に加えて、気を付けたいのが室温の調整です。冷やしすぎはよくありませんが、気温30度を超えるような時は、何らかの方法で室温調整が必要です。湿度計付き温度計を置き、室温28度、湿度60パーセントになったらエアコンを使うなど、目で確認できる温度の管理がお勧め。

 エアコンが苦手な人は、送風が直接体に当たらない工夫をしたり、隣の部屋のエアコンをつけるようにしたりすると、冷やしすぎを防ぐことができます。どうしてもエアコンが苦手という人には、扇風機や冷却マットなどの使用をお勧めします。

 さらに、部屋の中でじっとしていると、室温に対して鈍くなってしまうので、時々体を動かしましょう。汗をかくのが嫌だと感じる人もいるようですが、汗には体の熱を下げ、余分な水分を排出する働きがあるので、適度に汗をかくことは必要です。水分を補給しても、ただため込むだけでは脱水を防ぐことはできず、体がむくむ原因になります。血液循環をよくして水分を体全体にゆき渡らせ、古い水分を老廃物と一緒に汗や尿として排出し、水を循環させることが大切。

 ふだん運動不足の人や代謝がよくない人は、汗をかきにくく、その結果、熱が体にこもったり、余分な水分がたまって体調を崩してしまうこともあるので、日頃から汗をかける体に整えておくことも必要。

 暑さにより体は疲労し、体の代謝が弱って脱水症状が進みますので、夜の睡眠に影響しない程度の軽い昼寝をし、夜は十分に睡眠を取って体を休めましょう。そうすれば、熱中症や夜間熱中症、夏バテから体を守ることができます。