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毛巣瘻

 

肛門の少し上の仙骨部の皮膚の下に、小さな穴が開いている状態

 毛巣瘻(もうそうろう)とは、肛門(こうもん)の少し上の仙骨と尾骨の結合部、またはその近辺のの皮膚の下に、1個から数個の小さな穴が開いている状態。毛巣洞、毛巣洞炎とも呼ばれます。

 生まれた時から毛巣瘻がある場合は、皮膚の表面から体の内側に向かって管が伸びており、先天性皮膚洞とも呼ばれます。ふだん症状はありませんが、痛みがあって、穴の回りがはれたり、穴から膿(うみ)などが出てきたりする場合は、細菌による炎症が起こっている可能性があります。炎症が起こっている間は、椅子(いす)に座るのが困難になるほどの痛みを伴うこともあります。

 穴の回りにはしこりができ、皮膚の下の管の内部には分泌物がたまっていて、時に毛が2、3本認められることがあります。膿が出て時間がたつと炎症が小さくなり、また時間がたつと炎症を起こすことを繰り返すケースも、多くみられます。

 この生まれ付きの毛巣瘻では、まれに穴が脊髄(せきずい)神経につながっていたり、脊椎破裂や二分脊椎などといった背骨や脊髄神経の疾患があったりすることもあります。原因は、胎生期に受精卵から臓器ができ上がっていく時の不具合です。

 生まれた後に毛巣瘻ができる場合は、座ることによって押さえつけられたり、擦られたりした毛が皮膚の中に埋まり、炎症を起こすことが原因とされています。長時間の運転をする職業の男性の臀部(でんぶ)によく起こりますが、肛門の周囲以外に、わきの下などの毛深い部分にもできます。

 体毛の多い人にみられ、多くがホルモン活動の活発な20歳代までに発症します。男女比は3対2といわれています。

 炎症を起こした時の症状が痔瘻(じろう)に似ているため、間違えられることもありますが、別の疾患です。原発口や肛門管との連絡が見当たらないことから、痔瘻と区別できます。

毛巣瘻の検査と診断と治療

 ふだんは管の中が便などで不潔にならないように気を付けるだけでよいのですが、炎症が起きた場合は肛門科の専門医を受診します。

 また、生まれ付きの毛巣瘻では、まれに背骨や脊髄神経の疾患があったりする場合もありますので、子供の臀部に小さなくぼみや穴を見付けたら、一度は肛門科を受診することが勧められます。

 医師による治療では、炎症が起きている場合には抗生物質や炎症を抑える薬を投与したり、皮膚を切開して膿を出す処置をしたりします。この薬の投与や膿を出す処置だけでは、いったん炎症が治まっても再発する場合が多いとされています。

 完全に治すためには、穴から伸びる管やその内部の毛などを、周囲の組織とともに切り取る手術が必要です。手術は、日帰りですむこともあります。

 手術をした場合、炎症を起こしていないものは1回でほとんど治りますが、炎症を繰り返しているものは再発することがあります。手術後の再発予防に、局所の剃毛(ていもう)や永久脱毛、除毛クリームの使用なども行われています。