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慢性膀胱炎

 

膀胱内の粘膜の炎症が慢性的に持続している疾患

 慢性膀胱(ぼうこう)炎とは、膀胱内の粘膜の炎症が慢性的に持続している疾患。ほとんどが細菌の感染によって起こります。

 膀胱炎には大きく分けて、慢性膀胱炎と急性膀胱炎があります。大腸菌ブドウ球菌、連鎖球菌などの細菌が感染して起こる急性膀胱炎は多くの場合、頻尿、排尿痛、尿の混濁、残尿感といった症状が現れるのに対し、慢性膀胱炎では、それらの症状は比較的軽く、ほとんど自覚しないこともあります。

 この慢性膀胱炎には、急性膀胱炎から移行するものと、初めから慢性的な症状が現れるものとがあります。また、原因となる基礎疾患のない慢性単純性膀胱炎と、原因となる基礎疾患がある慢性複雑性膀胱炎とがあります。

 慢性単純性膀胱炎は、急性膀胱炎の症状が慢性的に続く膀胱炎のことです。中年女性に多いとされています。

 一方、慢性複雑性膀胱炎は、何らかの基礎疾患が原因となり、尿の流れが滞りがちな状態や、異物により細菌の感染が持続する状態において発症する膀胱炎のことです。原因となる基礎疾患には、前立腺(ぜんりつせん)肥大症や前立腺がん、膀胱結石、尿路結石、膀胱腫瘍(しゅよう)、尿道カテーテル留置などがあります。

 例えば、前立腺肥大症で残尿を伴う場合は、膀胱内の細菌が排出されずに繁殖を続けるので、慢性複雑性膀胱炎になることがあります。膀胱結石の場合は、異物である膀胱内の結石に細菌がくっついているため、細菌の繁殖、感染が長く続き、慢性複雑性膀胱炎になります。尿道カテーテルを留置している場合は、留置後1週間で異物であるカテーテルに細菌がくっつくので、慢性複雑性膀胱炎は必発です。

 慢性膀胱炎の原因菌となるのは、大腸菌以外の緑膿(りょくのう)菌、腸球菌、ブドウ球菌などの割合が急性膀胱炎よりも高く、複数の細菌が感染していることもあります。また、結核菌によるものもあります。

 細菌の感染以外のものとして、がんに対する放射線治療後に起こる放射線性膀胱炎や、原因が不明な間質(かんしつ)性膀胱炎という疾患があります。

 慢性膀胱炎の症状としては、下腹部の不快感、頻尿、排尿痛、尿意切迫感、残尿感、下腹部痛、血尿、尿失禁など急性膀胱炎と同様の症状があり、それが持続したり繰り返したりします。排尿後に何となくすっきりしなかったり、尿の混濁があったりするだけで、ほとんど症状がないことも少なくありません。

 症状がはっきりしないこともありますが、膀胱炎の症状が長く続く時や繰り返す時、血尿が続く時、発熱を伴う時などには、原因となる疾患がないか検査したほうがよい場合もあります。このような時には、泌尿器科の専門医を受診することが勧められます。

慢性膀胱炎の検査と診断と治療

 医師による慢性膀胱炎の診断は、症状と尿検査から行われ、通常、血液検査やX線検査では異常は認められません。

 原因となる基礎疾患がある慢性複雑性膀胱炎が疑われる場合には、超音波検査、排せつ性尿路造影、CT(コンピュータ断層撮影)、膀胱鏡検査などの検査も行われます。また、細菌培養を行って原因菌を調べることは、適切な治療のためにも大切です。

 医師による治療では、原因菌に有効な抗生物質や抗菌剤が2~4週間、使用されます。

 慢性複雑性膀胱炎の場合には、基礎疾患を治療しない限り、完治しません。

 特に基礎疾患もなく、症状のほとんどない際は、経過観察となることもあります。