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白血病

 

白血病細胞が骨髄で増殖し、正常な血球成分の産生を抑制

 白血病とは、未熟な細胞である白血病細胞が骨髄の中で異常に増殖するため、正常な血液細胞の増殖が抑えられてしまう疾患。白血病細胞が増殖すると、血液が白く見えるところから、白血病と名付けられました。

 血液のがんともいわれる白血病を発症すると、未熟な白血病細胞が骨髄を占領するために正常な血液を作る能力が障害され、赤血球、白血球、血小板が減少してきます。そのため、赤血球の減少による貧血、白血球の減少による感染、血小板の減少が原因となって出血が起こったりします。

 また、白血病細胞が血流に乗って全身の臓器に浸潤してその働きを障害し、肝脾腫(かんひしゅ)、リンパ節の腫大、骨痛、歯肉の腫脹(しゅちょう)などいろいろな症状を起こし、生命を脅かします。

 白血病は、疾患の進行の速さと、がん化する細胞のタイプによって、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病慢性骨髄性白血病という4つのグループに大別されます。急性白血病は急速に進行し、慢性白血病はゆっくりと進行します。リンパ性白血病では、リンパ球やリンパ球を作る細胞ががん化します。骨髄性白血病では、好中球、好塩基球、好酸球、単球を作る細胞ががん化します。

 日本では、白血病発生率は年々増加傾向にあり、2006年では人口10万人当たり5.9人で、年間7400 人以上が死亡しています。男性は人口10万人当たり7.1人、女性は人口10万人当たり4.7人で、男性のほうが多いのは他のがんと同様です。白血病は小児から高齢者までまんべんなく発生しますが、高齢者では発生率はより高くなり、70〜74歳代では年間人口10万人当り男性23.1人、女性11.8人、80〜84歳代では男性38.9人、女性18.3人になります。ただし、多くは前白血病状態と考えられている骨髄異形成症候群関連の白血病です。

 急性白血病と慢性白血病の比は、約4:1です。急性白血病のうち、急性骨髄性白血病(AML)と急性リンパ性白血病(ALL)の比は、成人では約4:1、小児では逆に約1:4です。慢性白血病のうち、慢性骨髄性白血病と慢性リンパ性白血病の比は約9:1です。

 白血病の原因は不明ですが、放射線被曝(ひばく)やある種の染色体異常、免疫不全症がある場合に、発症頻度が高いことが知られています。小児急性リンパ性白血病(ALL)の約80パーセント、小児急性骨髄性白血病(AML)の約70パーセントに染色体の異常がみられることが、明らかになっています。

白血病の検査と診断と治療

 まず、血液検査で血球数と白血球分画を調べます。末梢(まっしょう)血中に白血病細胞が認められる場合も多く、診断への手掛かりになります。

 診断のためには骨髄検査が必須で、骨髄細胞をメイ・ギムザ染色やその他の特殊染色で染色し、顕微鏡で細胞の性質を検討します。また、細胞表面マーカーや染色体検査を行うことにより、白血病の病型の確定と予後の推測に役立ちます。

 急性白血病の治療の目標は、体内から1個残らず白血病細胞を根絶させることです。抗がん薬の投与が治療の中心になり、有効性が明らかにされている複数の薬剤を併用して用います。

 まず、寛解(かんかい)導入療法を行い、完全寛解という状態にすることを目標にします。完全寛解とは、骨髄中の白血病細胞が5パーセント以下で末梢血液が正常化し、白血病による症状が認められない状態です。しかし、完全寛解になっても発症時に体内にあった10の12乗個の白血病細胞が10の9乗個程度に減少したにすぎず、ここで治療を終了すると再発してしまいます。

 このため急性リンパ性白血病(ALL)では、引き続き地固め、中枢神経再発予防、強化、維持療法と呼ばれる治療を約2〜3年行います。急性骨髄性白血病(AML)では、強化療法を5〜6回行います。

 急性リンパ性白血病(ALL)でフィラデルフィア染色体陽性例、診断時の白血球数高値や、乳児・年長児で寛解導入療法に反応しない場合、急性骨髄性白血病(AML)で予後不良と考えられる染色体異常がみられる場合などでは、造血幹細胞移植が行われます。

 白血病の治療は化学療法が中心ですが、治療による骨髄抑制下での感染症の治療、抗がん薬の副作用対策などの補助療法が重要です。化学療法の経験が十分にある施設で治療を行うことが望まれます。日本では現在3つの小児白血病治療グループがあり、よりよい治療法を確立するための治療研究が行われています。