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ばち指

 

爪が肥大化、変形して指先を丸く包むような状態

 ばち指とは、爪(つめ)の成長が著しくて湾曲度を増し、手指や足指の指先を丸く包むような状態。

 ばち状指とも呼ぶほか、古代ギリシアの医学者であるヒポクラテスが発見したことにちなんでヒポクラテス爪、あるいは時計ガラス爪、時計皿爪とも呼びます。

 見た目は、爪の甲が時計の風防ガラスのようになります。さらに変化が強くなると、指の先端も肥大してきて、爪の付け根が隆起してへこみがなくなった状態になり、見た目は、太鼓を打ち鳴らす棒であるばちのような感じになり、爪が手のひら側へ湾曲します。

 こういう状態は、爪の甲が乗っている皮膚である爪床のすぐ下にある軟らかい組織が、指の先端で隆起した場合にみられます。このような隆起が起きる原因は不明ですが、血管の成長を刺激するムコ多糖類が沈着するために、軟部組織が肥厚して引き起こされる可能性があります。

 このばち指の症状自体に痛みなどはありませんが、多くは重大な疾患の症状として現れます。症状の進行は、まず親指、人差し指から始まり、やがてほかの指でも起こるようになります。

 ばち指が起こる代表的疾患としては、肺の慢性疾患である肺がん、肺膿瘍(のうよう)、気管支拡張症、肺気腫(きしゅ)、肺結核などのほか、チアノーゼを伴う先天性心臓疾患および亜急性心内膜炎、甲状腺(せん)機能高進症、肝硬変、潰瘍(かいよう)性大腸炎などが挙げられ、それらの一症状として現れます。

 ほかに、内臓の疾患と関係のない特発性のもの、厚皮骨膜症の一症状として現れる遺伝性のものもあります。片側だけの爪が肥大化し、変形した場合は、その側の大きな血管に異常があることがあります。

 思い当たる疾患がないのに症状が出た場合は、どこか悪いところがあるというサインかもしれないので、呼吸器科、内科などで診てもらうことが勧められます。

ばち指の検査と診断と治療

 呼吸器科、内科などの医師による診断では、指の先端の第1関節(DIP関節)の高さで比べる指骨深さ比率を用います。

 例えば、手の親指の爪を横から見て、爪と指の第1関節の角度が約160度くらいなら正常な指ですが、爪の付け根にへこみがなくなり、爪と指の角度が大きくなって180度以上、つまり爪のある指頭の部分が下向きに曲がった状態なら、ばち指と判断します。

 呼吸器科、内科などの医師による治療では、原因となっている疾患を治すことを最優先します。ばち指というのは可逆性で、慢性に経過する呼吸器疾患などの原因疾患が治れば、正常な指に戻ることもあります。