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歯ぎしり

 

睡眠中に歯をこすり合わせたりする習癖

 歯ぎしりとは、睡眠中に上あごと下あごの歯をこすり合わせたりする習癖。歯には、咬耗(こうもう)と呼ばれる歯が擦り減った跡が見られます。

 歯ぎしりの仕方には、歯をこすり合わせるほか、歯をカチカチ合わせる、歯をくいしばるという3タイプがあります。

 上下の歯をこすり合わせるのが一般的で、下のあごが左右に素早く動いた状態を繰り返し、ギリギリ、ガリガリという音が出ます。この動きは、起きていて意識がある時に再現するのは難しく、無意識に早く、大きく動かしている人が多くみられます。

 歯をカチカチ合わせるのは、下のあごが上下に素早く動く状態を繰り返し、上下の歯をぶつけ合うので、カチカチ、カンカンといった音が出ます。軽くカチカチ当てる人から、強く当てる人までさまざまです。

 歯をくいしばるのは、あごに力を入れて上下の歯をギュッと強くかみ締めた状態で睡眠していて、音はほとんどしません。自分の体重ほどの力で、無意識にかむ人もいます。起床時にあごの疲れを感じたら、このタイプの歯ぎしりが疑われます。

 3タイプの歯ぎしりを全部する人もいますし、人によってさまざま。いずれにせよ、歯ぎしりは歯や体の健康にとってあまりいいものではありません。

 周囲の人にとっても、夜中に隣で寝ている人にギリギリ、ガリガリ、カチカチ、カンカンと大きな音を立てられると、たまったものではありません。目が覚めたら最後、不快な音が気になってなかなか寝付けなくなってしまうでしょう。ところが、歯ぎしりをしている当の本人は、音をさせながらもスヤスヤと夢の中にいます。

 自分自身が立てている音に気付かないのは、だれもが睡眠中は感覚器の伝達経路が遮断されているためです。起きている時は、音は筋肉から脊髄(せきずい)を通り脳へと伝えられますが、睡眠中はこの回路が全く働かなくなるため、脳はすぐそばのあごで起こっている歯ぎしりの音を感知できなくなるのです。

 つまり、周囲にいるほかの人から注意されない限り、自分自身の歯ぎしりに気付くことはほとんどないでしょう。ほとんど音を発することなく、ギュッと歯をかみ締めるタイプの歯ぎしりは、他の人に気付かれることも少ない一方、あごの痛みで目を覚ます人も中にはいます。

 日中に上下の歯が接触している時間は、食事の時間がほとんどで、累積は約15分といわれています。睡眠中の夜間の歯ぎしりにおいては、最長90分程度接触しているといわれています。日中の数倍の時間というだけでなく、夜間の歯ぎしりによって歯にかかる力は日中の数倍、または数十倍ともいわれています。

 歯ぎしりの原因として、精神的ストレス、肉体的ストレスとの関連が指摘されているほか、歯のかみ合わせが悪い人にもよくみられます。継続的に起こるケースが危険なので、特に歯のかみ合わせが問題視されます。

 歯のかみ合わせが悪い原因としては、あごの筋肉の緊張がアンバランスとなっていることが挙げられます。例えば、虫歯があって歯が痛い時や虫歯治療の金属冠の高さが不適合な時、歯を抜いた後ほったらかしにしたりすることでかみ合わせがおかしくなっている時は、あごの筋肉の緊張がアンバランスになっているといえます。

 精神的ストレス、肉体的ストレスから起こっている場合は、寝ている間に歯ぎしりすることによって、日常の不安や憂うつを発散させているのです。かみ合わせに問題がない場合は、今ストレスを抱えていないか、よく考え、なるべくストレスを回避することが大切です。

 大人だけでなく、子供も同じようにストレスが要因で 歯ぎしりをすることもあるようです。自分の子供が歯ぎしりをしたら、かみ合わせだけでなく、何かストレスに感じていることはないか考えてみましょう。

 激しい歯ぎしりが続くと、単に眠りの妨げになるばかりでなく、 歯が擦り減る、歯周組織が損傷する、知覚過敏症になる、外骨腫(がいこつしゅ)が起こるなどのダメ−ジを受ける恐れもあります。知覚過敏症とは、歯の根元が擦り減ったようにえぐれて、水などがしみる疾患です。外骨腫とは、歯の回りの骨が異常に突出する疾患です。

 また、肩凝り、あごの痛み、あごのだるさ、目の奥の痛み、偏頭痛や顎(がく)関節症を引き起こすこともありますし、耳鳴りがする、熟睡できないなど自律神経失調症による体の異変が現れることもあります。

 最も気を付けたいのは、睡眠時無呼吸症候群と関連が深い点です。この睡眠時無呼吸症は、歯ぎしりの直後に頻発することが確認されており、眠っている間に呼吸が停止する結果、脳が酸欠状態となり、突然死を引き起こすこともあります。

 歯ぎしりが気になったら、なるべく歯科医と相談し、それぞれに合った治療法を探すことが大切です。

 歯科医による治療法としては、歯のかみ合わせの調整、マウスピースの装着、精神的ストレスの緩和、自己暗示療法などが挙げられます。薬局などで手軽に購入できるマウスピースも、種類が豊富にあります。