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正中部母斑

 

新生児期から生じ、額の真ん中、後頭部からうなじにかけての中心部などにみられる赤あざ

 正中部母斑(ぼはん)とは、新生児期から乳児初期に生じ、額の真ん中、上まぶたの内側、うなじなどにみられる境界が不明瞭で、平らな赤あざ。

 この正中部母斑には、サーモンパッチとウンナ母斑の2型があります。サーモンパッチのほうは、新生児や乳児の額の中央、眉間(みけん)、上まぶた、上唇、鼻背など顔の中央に近い部分に現れる、紅鮭(べにざけ)の赤身に似た淡紅色ないし暗赤色のあざです。ウンナ母斑のほうは、後頭部からうなじ(頸〔けい〕部)にかけて現れる赤いあざです。

 正中部母斑の原因は、皮膚の真皮表層で毛細血管が拡張したり、増殖するためだとされています。毛細血管の内部の血液によって、皮膚の表面が赤く見えます。

 サーモンパッチの多くは、帯状や逆三角形の形をしており、平らで濃淡のむらは少なく、境界線は不明瞭です。新生児の20〜40パーセントに現れると見なされています。

 圧迫すると一時的に色が消えることが特徴で、新生児が力んだり、泣いたりすると、色が濃くなることがあります。

 生後6カ月くらいで薄くなり、上まぶたにあるサーモンパッチの大部分は、1歳ごろまでに自然に消失します。眉間から額の中央、上唇にあるサーモンパッチの大部分も、1歳6カ月ごろまでに自然に消失します。

 しかし、眉間から額の中央にあるサーモンパッチは、まれに成人になっても残ります。成長とともに拡張した血管が自然に細かくなって目立たなくなっても、やはり力んだり泣いたり、飲酒したりすると赤く浮かび上がることがあるという人は、多いようです。

 1歳をすぎてもサーモンパッチが消えない場合は、念のため皮膚科の医師を受診することが勧められます。サーモンパッチが残っている成人で、どうしても気になる人も、治療を受けることが勧められます。

 ウンナ母斑にも、盛り上がりなどの凹凸はなく、平らです。サーモンパッチに比して、赤みがいくぶん強く、濃淡のむらは少なく、境界線は不明瞭です。サーモンパッチと同じく、新生児の20〜40パーセントに現れると見なされています。

  生まれ付き現れるものが多いため、親が経過を見守ることが、大切になってきます。欧米では、コウノトリが新生児を運んでくるとの言い伝えから、ウンナ母斑を「コウノトリのくちばしの跡」とか、 新生児の誕生を祝って天使が付けたキスマークだなどといいます。

 消えるまでには時間が必要ですが、悪性になることはない上、3歳くらいまでには半数が自然に消えるとされています。成人まで残ってしまう確率は、10パーセント程度だとされています。

 病変の部分によっては髪の毛で隠れることもあって、治療をしないという人も多くいます。しかし、ウンナ母斑は、病変の部分や合併する症状でスタージ・ウェーバー症候群、クリッペル・ウェーバー症候群という疾患の可能性を持っていることがあるので、治療をしない場合でも一度、皮膚科の医師を受診しておくと安心できます。

 ウンナ母斑が残っている成人で、どうしても気になる人も、皮膚科の医師の治療を受けることが勧められます。

正中部母斑の検査と診断と治療

 皮膚科の医師は通常、見た目と経過から診断します。スタージ・ウェーバー症候群やクリッペル・ウェーバー症候群が疑われる場合には、画像検査などが必要になります。

 一般的には、サーモンパッチは自然に消えていく場合が多いので、治療せずに経過をみます。単に色調だけを自然経過よりも早期に淡くしたい場合には、パルス色素レーザー治療を行います。完全に消えず成人まで残る可能性があるもの、成人になっても残ったものは、露出部位のあざなので、パルス色素レーザー治療を行います。

 パルス色素レーザー治療は、傷を残さずに赤みを消退させることができます。術後に残った傷が目立ちますので、手術を行うことはありません。

 ウンナ母斑は、髪の毛に隠れて目立たない部位に生じるので、ほとんど治療をせずに経過をみます。単に色調だけを自然経過よりも早期に淡くしたい場合には、パルス色素レーザー治療を行います。ただし、毛根を焼いてしまうので、その部分の髪の毛が薄くなってしまうこともあります。0歳児でレーザー治療を始めるかは、家族の希望に従って行われます。

 成人まで残っていても、悪性になることはないため、大半は治療をしません。美容的に気になる場合には、パルス色素レーザー治療を行います。