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角膜実質炎

 

角膜の中間層の実質が炎症を起こした時の総称で、先天性と後天性の別

 角膜実質炎とは、角膜の内部の実質が炎症を起こした時の総称。先天性のものと後天性のものがあります。

 角膜は、黒目の表面を覆う透明な無血管組織で、表面から角膜上皮、ボーマン膜、角膜実質、デスメ膜、角膜内皮という5つの異なった層からなっています。外界の光が目の中に入る入り口となるとともに、目の屈折力の約7割を担うレンズとしての役割も果たしています。

 三叉(さんさ)神経が多岐に分布し、知覚が非常に鋭敏であるという特徴があり、厚さ約0・5ミリながら目の中の組織を守るために膠原線維(こうげんせんい)というとても丈夫な線維組織で作られています。角膜の中間層の角膜実質は、その厚みの90パーセントほどを占めます。

 先天性のものには、先天梅毒による角膜実質炎があり、5歳から20歳で発症し、角膜が白く濁り、虹彩(こうさい)炎や歯の異常、難聴を伴います。発症の時期にずれはあるものの両目に起こり、最終的には角膜の軽い濁りと軽度から中等度の視力障害が残ります。

 先天性のものには、結核による角膜実質炎もあり、片目に起こることが多く、虹彩炎とともに角膜の濁りが限局的にみられます。濁りができるのは瞳孔(どうこう)の近くで、しかも炎症の消失後も強く残るので、視力はかなり落ちます。症状としては、涙が多く流れたり、光を異常にまぶしく感じたり、痛みが出現し、徐々に進行する視力低下が一般的です。

 後天性のものには、細菌、ウイルス、特にヘルペスウイルスの感染による角膜実質炎が多くみられます。症状としては、涙が多く流れたり、光を異常にまぶしく感じたり、痛みが出現し、視力も低下します。白目の部分の結膜が充血し、角膜は混濁して周囲から血管が侵入してきます。

角膜実質炎の検査と診断と治療

 眼科の医師による診断では、目の表面を拡大して見る細隙灯(さいげきとう)顕微鏡を用いて角膜を丹念に調べます。

 症状からほぼ類推することができますが、特徴的な所見を示さない場合は、角膜の悪い部位をこすり取ったり、涙を採取したりして、原因を確定する血清学的検査を行います。

 先天梅毒による場合、梅毒反応検査が陽性になり、角膜実質炎のほかに歯の異常と難聴があれば、ほぼ確定できます。結核が疑われる場合、その検査をした上で角膜実質炎との関連を調べます。

 眼科の医師による治療では、原因によってそれぞれ異なった処置を行います。目を休ませて、体の休養をとることも重要です。

 原因が先天梅毒や結核の場合は、それぞれの治療を行います。同時に、ステロイド剤の点眼も行います。

 原因が細菌、ウイルスの感染による場合は、抗生物質、抗ウイルス剤などの点眼を行います。症状が強い場合には、結膜下注射や全身投与を行います。ステロイド剤の点眼を併用することもあります。角膜全体が混濁して視力障害が著しい時には、角膜移植を行います。