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顎関節症

 

顎関節などの周辺に何らかの異常がある疾患の総称

 顎(がく)関節症とは、顎関節や咀嚼(そしゃく)筋などの周辺に、何らかの異常がある疾患の総称。

 あごを動かす時に痛みがあること、関節の雑音があること、スムーズに口が開かない開口障害や、側方への運動異常があることを主な症状とします。炎症症状もなく、下あごを安静にしていれば全く異常感はありません。

 原因としては、歯のかみ合わせの異常によるものや、利きあごのみで物をかむなど咀嚼(そしゃく)の偏り、歯ぎしりや食いしばりの習癖、大あくびや打撲などの外傷、疲労を蓄積させる生活習慣、精神的ストレス、関節の間にあるクッション役の関節円板の位置異常などいろいろあり、どうして起こるのか不明な点が多い疾患です。

 症状は、関節の痛み、関節の雑音、開口障害や運動異常という3症状のほかに、頭痛や顔面痛などの関連痛、首、肩の凝り、耳の痛み、耳閉感、耳鳴り、難聴、めまい、眼精疲労といった目や耳の症状などがみられることもあります。多くの場合、これらの症状は複合します。

 子供から高齢者まで幅広く発生しますが、10歳代半ばから増え始め20〜30歳代がピークで、女性に好発する傾向があります。最近では、若年者の発症が増加しています。

 女性に後発する理由はよくわかっていないものの、女性のほうが筋肉の緊張やストレスに対して感受性が高く痛みに敏感、男性よりも骨格や靱帯(じんたい)が弱い、女性ホルモンに関係があるなどの説があります。

 若年者の発症の増加は、最近の柔らかい食べ物の多い食生活から、かむ力が弱くなり、あごの筋肉が衰えているのが、その理由ではないかといわれています。

 顎関節症と思い当たる症状がある場合には、歯科または口腔(こうくう)外科の医師を受診します。

顎関節症の検査と診断と治療

 顎関節症の場合、歯科、あるいは口腔外科での治療が一般的。あごだけでなく、耳や顔に痛みが出るので耳鼻科や整形外科などにかかったとしても、顎関節症の疑いがある場合は歯科、口腔外科の受診を勧めてくれます。

 全国の歯科大学・歯学部の附属大学病院の多くは、顎関節専門の診療科、専門外来などを開設し専門的治療を行っています。

 医師による診断では、症状にもよりますが、歯のかみ合わせ状態、顎関節X線写真、顎関節内の内視鏡検査、MRI、CTなどの画像診断を行います。それとともに血液検査や生化学検査、心理検査などによって、ほかの炎症性の疾患との区別と、原因の究明が行われます。

 治療は、原因に対する治療と対症療法を行います。消炎剤、鎮痛剤、筋弛緩(しかん)剤、精神安定剤などの服用のほか、咀嚼筋のマッサージやストレッチ、スプリントという入れ歯のような器具の装着、関節円板の整位で、歯のかみ合わせの改善を図ります。

 歯のかみ合わせが悪いからといって、歯を削ったり、冠を被せて調整するなどの非可逆的治療は、避けるのが原則です。

 非外科的治療で改善しない顎関節の痛みには、関節内の炎症性物質を洗い流す顎関節洗浄療法が適用されます。これでも改善しない場合には、変形した骨や関節円板を整形する顎関節開放形成術の適用が検討されます。