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潰瘍性大腸炎直腸炎型

 

直腸の粘膜に炎症が起こって、ただれる疾患

 潰瘍(かいよう)性大腸炎腸炎型とは、大腸の最終部に当たる直腸の粘膜に炎症が起こり、ただれる疾患。潰瘍性大腸炎のうちで、直腸に限って発生する型であり、直腸炎とも呼ばれます。

 この直腸炎型など潰瘍性大腸炎の原因については、まだよくわかっていません。 細菌やウイルスの感染、ある種の酵素の不足、ストレス、体質が関係していると見なされ、近年では自己免疫異常説がかなり有力です。

 私たちの体には、細菌などの有害なものを排除する免疫の仕組みがあります。この免疫の仕組みは腸の中でも働いていて、食べ物が腸を通過する際には、栄養分のように体に必要なものだけを腸の粘膜から吸収し、不要なものや有害なものは吸収せずに、そのまま腸から通過させて便として排出します。

 ところが、免疫機構の異常が大腸に生じると、不要なものまで腸の粘膜から吸収されるようになる結果、大腸の粘膜に炎症が起こって潰瘍ができると考えられています。

 また、直腸炎型など潰瘍性大腸炎が増加している背景には、大腸がんと同じように、食生活の欧米化、特に脂肪の多い食事の取りすぎがあると推測されます。

 潰瘍性大腸炎は最初、病変が直腸に限ってできる潰瘍性大腸炎腸炎型、すなわち直腸炎として起こります。放置すると、直腸からS状結腸に渡って病変が広がって直腸S状結腸炎型となります。さらに、下行結腸へと広がる左側大腸炎型となり、横行結腸から上行結腸へと進んでいき、全大腸炎型になります。

 潰瘍性大腸炎腸炎型、すなわち直腸炎は最も軽く、全大腸炎型が最も重症です。

 潰瘍性大腸炎腸炎型の主な症状は、血便、粘血便、粘血膿便(のうべん)。直腸の一部のみに病変が限られている時は、排便の際に少量の出血がみられる程度のため、内痔核(ないじかく)からの出血とはっきり区別が付けにくいこともあります。直腸に強い病変が起こると、渋り腹という絶えず便意があるのに通じのよくない下痢状態になり、排便した後もすっきりせず、何回でもトイレに行きます。

 時に体重の減少、食欲不振、貧血などの全身症状を伴うことがあります。

潰瘍性大腸炎腸炎型の検査と診断と治療

 血便、粘血便、下痢が認められた場合は、消化器科、消化器外科、肛門(こうもん)科を受診します。胃腸科では、十分な診断ができない場合があります。

 潰瘍性大腸炎のうちで、直腸に限って発生する潰瘍性大腸炎腸炎型、すなわち直腸炎では、直腸鏡によるS状結腸までの検査でおおよその診断がつきます。さらに原因を確定するには、全大腸内視鏡検査、糞便(ふんべん)の検査、腹部のX線検査、バリウムを肛門から注入してX線撮影をする注腸検査、直腸の組織の一部を採取して調べる生検が必要になります。

 一般療法としては、まず精神的、肉体的な安静を保ち、消化吸収がよく、栄養価の高い食事をとります。豆腐や白身の魚、鶏(にわとり)のささ身などは最適です。乳製品や高脂肪食は避けます。

 薬物療法としては、軽症ではサラゾスルファピリジンというサルファ剤を内服薬、または座薬として用います。粘膜の潰瘍に有効なサルファ剤は、特効的に効果を発揮することがあります。中等症では副腎(ふくじん)皮質ステロイド剤の内服薬、座薬が用いられます。重症では抗生物質、輸液、輸血が必要なこともあります。中等症、重症では、入院治療を要します。

 日常生活での注意としては、規則正しい生活を心掛け、アルコールを控え、普段から食事療法を心掛けることが必要です。