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介護療養型医療施設

 

介護保健施設の一つで、都道府県知事が指定 

 介護療養型医療施設とは、介護保険法に基づいて施設介護サービスを提供する介護保健施設の一つで、都道府県知事が指定する介護施設のこと。介護療養病床とも呼ばれます。

 長期間入院して医療ケアを中心に介護が必要な、65歳以上の高齢者を対象としています。具体的には、急性期の治療が終わって病状が安定期にあり、医学的管理のもとで、長期間に渡る療養や介護が必要な要介護1以上の人が入所する施設であり、介護保険が適用されます。

 病院、医院と同じ敷地や建物内に設けられていることが多く、一見すると病院、医院そのものに見えます。現在は、全国に3000施設弱あります。

 かつて、65歳以上の高齢者が一定割合入院する病院は老人病院と呼ばれていましたが、介護保険制度の成立後、老人病院は療養型病床群(現在の療養病床)に含めて分類されることになりました。 この療養病床は、医療保険が適用される病床と介護保険が適用される病床に分けられています。前者が医療保険型療養病床(医療療養病床)、後者が介護療養型医療施設(介護療養病床)となります。

 2009年8月時点で、療養病床は全国に約37万床あり、内訳としては医療保険型療養病床が26万床、介護療養型医療施設が9万床となっています。

 介護療養型医療施設は医療施設であり、機能訓練室や談話室、食堂、浴室などの設備を備え付け、面積も一般病棟よりも広く設けるよう義務付けられています。要介護1以上の人が入所する施設とされますが、実際には重度の人優先で、脳血管性疾患、心臓疾患、がん、認知症などの病気があり、医療措置が必要な人が主な対象となっています。

 たんの吸引、水分や栄養をチューブで胃に入れる胃ろう、床擦れ、鼻などから流動食を投与する経管栄養、尿管カテーテル、酸素吸入といった医療措置が必要な人でも問題なく入居が可能で、現実的にはターミナルケアや、みとりの場となることも少なくありません。また、認知症に対応した介護療養型医療施設なら、在宅での生活が困難な認知症患者でも入所することが可能です。

 利用料は要介護度や職員の配置人数などによっても異なりますが、医療の必要性が高いこともあり、同じ介護保健施設に分類される介護老人福祉施設特別養護老人ホーム、特養)や介護老人保健施設老人保健施設老健)に比べると、最も高く設定されています。

 4人程度の相部屋の場合は、1カ月当たりの費用は9~17万円程度。プライバシーが保てる個室(ユニットケア)の場合は、25万円を超えるケースも少なくありません。個室を増やそうという取り組みも進んでいますが、まだまだ普及していません。

 なお、厚生労働省は、医療や看護をほとんど必要としない入所者が約半数を占めていること、2つの療養病床の機能が似ていることなどを理由に、医療保険型療養病床は15万床程度に数を減らし、介護療養型医療施設は2011年度末(2012年3月末)までに数を減らし、いぜれ全廃する方針を発表していました。

 廃止される既存の介護療養型医療施設は、2008年5月に新たに発足した介護療養型老人保健施設(新型老健)を中核に、医療保険型療養病床、(介護付き)有料老人ホーム、ケア付の高齢者住宅など他の介護施設への転換が促されていく見通しでした。

 しかし、自民党から民主党への政権交代により、介護療養型医療施設の廃止は他の介護施設への転換が時間的に間に合わないこともあり、計画自体が凍結され、今後どうするのかについては再検討されています。

 現在入所している人はもちろんですが、これから入所を考えている人は医療難民にならないよう、十分な情報収集を心掛ける必要があります。