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異所性脂肪

 

皮下脂肪でも内臓脂肪でもない第3の脂肪で、より体内に悪影響を及ぼす脂肪細胞

 異所性脂肪とは、皮下脂肪でもなく内臓脂肪でもない第3の脂肪と呼ばれているもの。

 異所性脂肪は皮下脂肪や内臓脂肪と同じ中性脂肪で、食べ物から摂取される脂分で作られており、体の機能不全によって構成されるものではありません。また、異所性脂肪は内臓脂肪や皮下脂肪よりも体内に悪影響を及ぼす脂肪細胞であることが、今現在の研究に基づいてわかっています。

 そして、日本人は欧米人に比べて、皮下脂肪の貯蔵能力が低いため、少し太っただけで異所性脂肪が蓄積して、より早い段階で肥満に関係する疾患になりやすい体質であるというデータもあります。

 この異所性脂肪は食事で脂分を多く摂取することで作られ、皮膚と筋肉の間にたまる皮下脂肪や、大腸や小腸の周りに付着する内臓脂肪に貯蔵されなかったエネルギーが体内に残った時に、異所性脂肪として構成されます。

 人間の体にはエネルギーを体内に保存し有事に備えるという便利な機能があり、摂取した食べ物から抽出するエネルギーが余った場合、そのエネルギーを脂肪細胞という器に貯蔵します。

 この脂肪細胞という器は伸縮自在で、大きさは貯蔵したエネルギーによって小さくなったり、大きくなったりします。脂肪細胞が大きくなると、人間の外見も大きく膨らみます。これが肥満と呼ばれるものです。

 しかし、脂肪細胞がいくら伸縮自在といっても、その容量には限りがあり、脂肪細胞という器に貯蔵しきれないエネルギーは体内に無理やり居場所を作ります。これが異所性脂肪というわけで、脳以外の内臓などの臓器や骨格筋などに付着し、臓器や筋肉の内部に入り込みます。

 脂肪細胞に貯蔵されているエネルギーは、体内の状況に応じて神経やホルモンなどの伝令を通して正しく体内に作用します。一方、異所性脂肪は正規のエネルギー貯蔵方法で体内に存在しているわけではないため、体内の生理機能に正しく反応できず、ほかの細胞や、心臓や膵臓(すいぞう)、肝臓などに内部から直接悪い影響を及ぼし、糖尿病、高血圧、高脂肪血症、脂肪肝動脈硬化心筋梗塞(こうそく)、痛風、膵炎などの生活習慣病を引き起こします。

 例えば、異所性脂肪が膵臓に付着すると、脂肪が細胞を殺すためにインスリンが作られなくなり、糖尿病になると見なされます。異所性脂肪が肝臓に付着すると、脂肪肝になり、さらにはNASH(ナッシュ、非アルコール性脂肪性肝炎)になり、そのまま悪化すると組織の中に線維ができて、自覚症状がないまま肝硬変や肝臓がんに進む恐れもあると見なされます。

異所性脂肪の効果的な減らし方

 異所性脂肪は、脂肪細胞に入り切らなかったエネルギーによって生成されます。つまり、脂肪細胞を飽和状態にしなければ、異所性脂肪も生成されないというわけです。

 脂分の多い食事を避け、貯蔵されたエネルギーを運動によって放出するのが、異所性脂肪の効果的な減らし方といことになります。

 ちなみに、脂肪細胞の数は人によってさまざまですが、通常、乳幼児の時期と思春期の時期に増加するとされています。成人してからも特殊なケースで増えることはありますが、一般的に成人後に脂肪細胞の数が増えることはないというデータがあり、エネルギー貯蔵庫としての脂肪細胞の数は増やすことはできません。

 中高生のころに太っていた人は、基本的に脂肪細胞の数が多いため、異所性脂肪が付着しにくいとされますが、油断して食べすぎることによりエネルギーをため込みすぎると外見がより膨らみます。

 逆に、中高生のころにやせていた人は、いくら食べても外見はあまり太ったようには見えない人が多くいますが、エネルギー貯蔵庫自体が少ないため異所性脂肪が付着しやすい体になっているため、生活習慣病を引き起こす危険性があるとされます。

 異所性脂肪は体の外見に影響しにくい、つまり異所性脂肪がいくら付着しても見た目にはわからないということですので、食事で脂分の取りすぎを控え、1日1万歩のウオーキングで運動不足を解消するなどの自己管理が必要です。

 異所性脂肪は簡単にたまりやすい代わりに、簡単に減らせるという特徴があり、ごく短期間の食事のコントロールと運動の実践をするだけで、その量が劇的に減ることがわかっています。

 ただし、運動の負荷が大きすぎると異所性脂肪は減らせても、心肺機能や関節など体の別の部分にダメージが現れてきますので、 自分に適した運動量を無理なくキープしていく気持ちで臨むことも必要です。