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胃下垂

 

胃全体が正常な位置より下のほうにあり、胃の曲がり角が骨盤の中に入っている状態

 胃下垂とは、胃の下部が通常の位置よりも下がり、胃の曲がり角が骨盤の中に入っている状態。胃そのものの位置が変わるわけではなく、胃の上部は正常な位置にあり、下部が延びている状態です。

 胃下垂の原因は、体質、暴飲暴食、腹筋の衰え、ストレスなどが挙げられます。胃下垂は遺伝はすることはありませんが、先天的に虚弱体質で、細長の胸を持ち、やせた人に多く、いつも胸部と上腹部を圧迫している人、太っていたがある原因で急にやせた人、過度に発育した女性なども、なりやすい傾向があります。

 暴飲暴食を引き金に、胃下垂の状態が現れることもあります。腹筋の衰えで胃を正常の位置に持ち上げることができなくなり、垂れ下がるケースもあります。会社、学校での人間関係による強いストレスを引き金に、胃下垂の状態が現れる場合もあります。

 胃下垂は医療機関へ行ってX線検査を受けなければ確実に診断はできませんが、 一般的に次のような症状が現れます。

 胃の不快感、胃の張ったような痛み、食欲不振、少量の食事での満腹感、食後の胃のもたれや、むかつき、吐き気、げっぷ、あるいは腰痛、大便の不正常があります。横になっている時は、症状が軽くなります。

 胃下垂になると上手に食べ物が消化できず、胃の中に物がたまった状態が長く続き、消化不良も生じます。胃が消化不良を起こすと、食べた物の栄養を十分に吸収できなくなり、イライラしたり、精神疲労に陥ったりする可能性もありますし、肌荒れなどの弊害が出てくる恐れもあります。

 その上に、消化できない物を必死に消化しようとするため、胃酸(胃液)が多く分泌されて胃酸過多になります。この状態では、胃炎、胃潰瘍(かいよう)を起こす危険性の高くなります。

 胃下垂の最もはっきりした特徴は、胃の下部が垂れ下がることになるので、へそのあたりが前に突き出て、上腹部は反対にくぼんでいます。下腹部が膨らむことで、体の重心がずれるため、猫背になりやすいとされています。 猫背になることで、さらに違った症状が出てくる可能性もあります。

 胃下垂は疾患と認定しにくい症状ですが、重い自覚症状が続く場合に限り胃がんなどの疾患との識別が必要ですので、内科、消化器科の専門医を受診します。確実な診断方法は、医師にX線(レントゲン)写真を撮ってもらうことです。

胃下垂の検査と診断と治療

 内科、消化器科の医師による診断では、立った位置でバリウム(造影剤)を300ミリリットル飲んで、胃のX線(レントゲン)検査を行い、胃の曲がり角が骨盤の中に入っているものを胃下垂と判断します。

 胃がんなどの症状の似たほかの疾患と鑑別するためには、胃内視鏡検査をしたり、胆囊(たんのう)、膵臓(すいぞう)の超音波検査を行います。

 内科、消化器科の医師による治療では、薬物療法はほとんど行われません。胃の運動を正常化させる場合には、整腸剤(腸管運動調整剤)や消化剤を処方します。便秘している場合には、緩下剤を処方することがあるものの、習慣になると緩下剤なしで便通がつかなくなるので、あまり処方されません。

 一番の対処法は、症状の引き金になる暴飲暴食、ストレスを避け、適度な運動やバランスの取れた食生活、規則正しい生活で精神的にリラックスすることです。食生活では、急激な温度の変化は胃の蠕動(ぜんどう)運動のリズムを乱すため、極端に熱い物、冷たい物も避けます。

 運動では、胃下垂の人は腹筋が発達していないことが多く、腹筋に重点を置いた筋肉トレーニングも有効です。腹筋を鍛えることで内臓を強く鍛えることができて、胃が正常の位置に持ち上がり、胃下垂の解消、予防が図れます。 いきなり激しい腹筋運動をすると胃を痛める可能性がありますので、徐々に慣らしていき、可能であれば毎日トレーニングします。