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■卵アレルギー、生後6カ月から少量食べて発症予防に 日本小児アレルギー学会が提言

 

 日本小児アレルギー学会は16日、離乳食を始めるころの生後6カ月から乳児にごく少量の鶏卵を食べさせることで、卵アレルギー発症の予防になるとの提言を医療関係者向けに発表しました。

 家庭で独断で実施するのではなく、必ず専門医に相談してから始めてほしいと指摘しています。

 卵アレルギーは、乳幼児の食物アレルギーの中で最も多く、有症率は10 %といわれます。卵を口にした場合、湿疹や頭痛、呼吸困難などの症状が起きます。

 鶏卵を食べることで卵アレルギーの発症を抑える研究は、国立成育医療研究センターなどの研究チームが昨年末、生後6カ月の段階から固ゆで卵の粉末をごく少量ずつ食べさせると、1歳になった時には卵アレルギーの発症を80%抑えられたとして、その成果をイギリスの医学誌「ランセット」に発表。少量を食べ続けることで体が慣れ、免疫反応が抑えられたとみられます。

 医療関係者向けの日本小児アレルギー学会の提言では、生後6カ月の乳児が固ゆで卵約0・2グラムを食べ始めることを推奨。1歳の時点で固ゆで卵約32グラム(1個の半分の量)を食べてもアレルギー症状がないことが、予防ができている目安としました。

 ただし、摂取は予防のためであり、すでに卵アレルギーの発症が疑われる乳児に摂取を促すことは「極めて危険」と警告しています。

 食物アレルギーはかつて、離乳早期に原因となる食品は食べさせるべきではないとされていました。ただ最近の国内外の研究では、食べる時期を遅らせると体が慣れず、発症のリスクをかえって高めることがわかってきました。ピーナツアレルギーの発症の予防でも、乳児期から摂取を始めることで予防につながるとの海外の研究報告があります。

 日本小児アレルギー学会の海老沢元宏・食物アレルギー委員長は、「安易に卵を避けるのではなく、少しずつ安全に食べていけば発症を抑制できることを伝えたい」と話しています。

 

 2017年6月16日(金)

■3カ所以上の医療機関に通院中の高齢者、9割が薬5種以上の多剤処方

 

 3カ所以上の医療機関に通院している高齢者の9割が、慢性疾患の薬を5種類以上処方されているとの調査結果を、東京都健康長寿医療センターなどの研究班がまとめました。

 16日に名古屋市で開かれている日本老年医学会で発表します。

 複数の持病を抱える高齢者は処方される薬の種類が増えがちですが、薬を分解する機能が低下して副作用が出やすくなります。5種類以上服用すると、転倒リスクが高まるとの報告もあります。

 調査は、自宅(介護施設も含む)で暮らす75歳以上の東京都民約130万人のレセプト(診療報酬明細書)を分析。2014年5月からの4カ月間について、糖尿病、高血圧、骨粗しょう症不眠症、泌尿器疾患など約20疾患の薬127種類(約5000剤)の処方状況を調べました。

 5種類以上の薬を処方されている患者は、全体で35%でした。受診している医療機関数でみると、1施設では23%、2施設では60%、3施設では89%と、受診先の増加に伴い多剤処方の割合が高くなりました。

 

 2017年6月16日(金)

■腸管出血性大腸菌の感染者、1週間で45人に上る 肉類の生焼けに注意が必要

 

 食中毒などを引き起こす腸管出血性大腸菌の感染者が1週間で45人に上るなど感染が広がり始めました。気温上昇とともに流行が拡大し、7~8月にピークを迎えるため、国立感染症研究所は注意を呼び掛けています。

 感染すると、腹痛や下痢、血便のほか、 嘔吐(おうと)や発熱を伴うこともあります。抵抗力が弱い乳幼児や高齢者は、貧血や急性腎不全を起こして死に至る恐れもあります。

 国立感染症研究所によると、昨年は9人の死亡が報告されました。今年も6月7日に、群馬県伊勢崎市の高齢者施設で、腸管出血性大腸菌O(オー)157に感染した90歳代の女性が死亡しています。

 腸管出血性大腸菌はもともと牛などの腸に生息しており、生肉など食品を通じて人間に感染します。感染者の約3割は無症状で、気付かずに感染を広げる危険性もあります。

 トイレ後や調理前、食事前の手洗いの徹底で感染の拡大を防げます。

 国立感染症研究所感染症疫学センターの斉藤剛仁主任研究官は、「肉類の生焼けに注意して食中毒を予防してほしい」と話しています。

 

 2017年6月15日(木)

■認知症の行方不明者1万5432人 4年連続最多、警察庁まとめ

 

 認知症が原因で行方がわからなくなったとして、2016年に全国の警察に届け出があった行方不明者は前年比26・4%増の1万5432人だったことが15日、警察庁のまとめで明らかになりました。

 2012年の統計開始から4年連続で増加し、過去最多を更新し続けています。警察や家族などによって98・8%の1万5241人は年内に所在が確認されたものの、191人は見付かっておらず、早い段階の対応が重要になっています。

 認知症による不明者のうち55・8%が男性(8617人)で、女性(6815人)を上回りました。行方不明者の原因・動機は高齢層ほど認知症の割合が高まり、60歳代は人口10万人当たり7・3人だったのに対して、70歳代は48・1人、80歳代以上は74・3人となっています。

 都道府県警別では、大阪府警が1830人で全国最多、埼玉県警が1641人、警視庁が1487人、兵庫県警が1300人、愛知県警が1265人と、5都府県警で1000人を超えました。

 2015年以前に届け出を受けた73人を含め、2016年に所在が確認された行方不明者は計1万5314人。警察の捜索活動や第三者からの通報で発見されたケースが63・7%に当たる9756人と最も多く、行方不明者の自力帰宅や家族による発見は32・3%に当たる4950人。3・1%に当たる471人は、死亡した状態で見付かりました。

 所在が確認されるまでの期間は、届け出を受理した当日(72・5%)と2~7日(26・0%)の1週間以内がほとんどを占めました。それ以降は8~14日で0・4%、15日~1カ月で0・3%など。

 2016年の認知症以外の人を含む全体の行方不明者数は、前年比3・4%増の8万4850人。年代別では、10歳代と20歳代がそれぞれ1万7000人台、1万6000人台と多くなりました。80歳以上は1万118人、70歳代は9589人。9歳以下も1132人いました。

 全体の原因・動機別では、認知症や病気苦などの「疾病関係」が最多で、遊び癖などの「その他」や親子の不和などの「家庭関係」が続きました。

 警察庁の担当者は認知症高齢者に関する届け出数の増加について、「高齢化に加え、社会全体として認知症が周知され、家族が警察に病気を申告するケースが増えたためとみられる」とし、「冬場は凍死などの恐れもある。自治体などと連携して、素早い立ち上がりを徹底したい」と強調しました。

 

 2017年6月15日(木)

心不全

 

心臓の機能が低下して、十分に働かなくなった末期的な状態

 心不全とは、心臓の機能が低下して、体に十分な血液を送り出せなくなった末期的な状態。心不全は、疾患名ではありません。

 心臓に静脈血は十分に戻ってくるのに、 動脈血を送り出せないという状態で、疾患そのものとは少し異なります。

 心臓弁膜症のために心不全が起こることもあり、心筋梗塞(こうそく)のために心不全になることもあります。心不全の原因は、ポンプの役割を果たすはずの心臓が衰えたことにあり、あらゆる心臓病の最期の状態といえます。

 安定した状態から急激に悪化する急性心不全か、状態が安定している慢性心不全かによって経過は多少異なりますが、最後はどちらも心臓の機能が低下して、十分に働かない状態になります。急激な心臓停止も、結局は心不全の状態といえます。

 心不全を起こす原因になっている疾患により、現れる症状もそれぞれ異なるものの、心不全そのものの症状としては、疲れやすい、少しの運動で動悸(どうき)や息切れがする、夜間多尿などです。中には、身の置きどころがないだるさを感じる人もいます。

 静脈から心臓へ戻ってきた血流が前方に進みにくくなると、心臓の働きが悪い部分にうっ血が起こります。左心室の働きが悪い時はうっ血は肺に起こり、右心室の働きが悪い時はうっ血が肺以外の静脈に起こります。

 大動脈弁や僧帽(そうぼう)弁の弁膜症、左心室心筋梗塞では、いずれも肺うっ血のために呼吸困難が起こります。 肺うっ血の症状は、軽ければ運動時の呼吸困難程度で、少し重くなると夜中に突然、呼吸困難の発作が起こったり、心臓ぜんそくと呼ばれるヒューヒュー、ゼーゼーという息苦しい状態の発作が起こります。

 より悪化した場合や急性左心不全の時は、もっと激しい症状が出て、突然呼吸困難になり、唇や爪(つめ)にチアノーゼが現れたり、横になって寝ることができず、上体を起こして前ががみの姿勢で呼吸をするようになります。これらは左心不全の末期症状で、肺水腫(すいしゅ)を合併した場合は、ピンク色の泡状のたんを吐き続けるようになります。

 左心不全で肺にうっ血が起こると、右心に負担がかかり、ついには右心不全になって、両方の症状が出ることもあります。

 右心不全の場合は、大静脈にうっ血が起こるため、肝臓や胃腸障害の症状が出ます。腹が張った感じや、食欲不振を感じる場合が多く、むくみが出ることもあります。時には腹が膨れますが、これは腹水がたまったり、肝臓がはれるためです。

 このように心不全は、原因によって多彩な症状が出て、経過もまちまち。急性心不全や大動脈弁膜症では、急速に進行して死亡するケースも少なくありません。心臓には代償機能があるので、徐々に軽快する場合もあります。

心不全の検査と診断と治療

 循環器科、循環器内科、心臓血管外科、心臓血管内科、不整脈科、不整脈内科などの医師による診断では、心臓のどこに異常が起きているのか、その原因になっている疾患は何かをまず突き止めてから、心不全の状態や程度を調べます。

 一般の診察で心不全の有無を診断し、場合によっては心臓超音波検査(心エコー)で心臓の働き具合をみる検査をします。

 循環器科、循環器内科、心臓血管外科、心臓血管内科、不整脈科、不整脈内科などの医師による治療では、心臓の働きを鈍らせている原因を取り除ける場合は、まずその治療をします。

 例えば、高血圧に対する降圧療法、狭心症心筋梗塞に対する風船治療や冠動脈バイパス術、心臓弁膜症に対する弁形成術や弁置換術などを行います。不整脈が原因の場合には、ペースメーカーを植え込むということもあります。甲状腺機能高進症や甲状腺機能低下症など心臓以外に原因がある場合には、それに対する薬物療法などを行います。

 急性心不全の時は、一般に入院を必要とすることが多く、安静が必要で、酸素吸入を行ったり、一時的に心臓の働きを高める薬を使ったりします。 また、運動制限が必要ですが、安定期には、逆に負担にならない程度の適当な運動も必要です。

 一方、慢性心不全の時は、心臓に対してはむしろ過度な刺激から守る薬を用います。体内の余分な水分を取り除く利尿剤、心臓の働きを手助けするジギタリス剤、心臓にかかる負担を軽くするアンギオテンシン変換酵素阻害剤などの血管拡張剤、長期的には心臓に障害を与えやすい神経やホルモンの作用を抑制するベータ遮断剤などがあります

心不全に対する日常生活における注意

 心不全は、安静にして日常生活を正すだけで、心臓の負担が軽くなり、症状が鎮まることが多いものです。

 また、塩分をとりすぎると、体内に水分をとどめることになり、うっ血やむくみを強くするので、塩分を控えた食事にします。そのほか、胃腸の負担を減らし、肝臓にもよい食事として、高蛋白(たんぱく)で消化のよい食事をとるように心掛けます。

 一方、心配事や不安、怒りなどから起こるストレスを防ぐ注意も必要。体とともに精神の安静にも気を付け、心臓に負担をかけないようにします。

 毎日の運動量や食塩の量を医師に決めてもらい、それに基づいた日常生活を送ることが、再発や悪化を防ぐ上で大事なことです。

 

■無痛分娩の麻酔で脳障害、3件目が発覚 同じ京都の産婦人科医院

 

 麻酔で出産の痛みを和らげる無痛分娩(ぶんべん)を行う京都府京田辺市産婦人科医院「ふるき産婦人科」で医療事故が2件発覚した問題で、2011年に無痛分娩で出産した別の夫婦の長女も脳に重度障害を負っていたことが13日、明らかになりました。

 夫婦によると、長女は意思疎通ができない寝たきりとなり、介護の末に2014年、3歳で亡くなったといいます。

 夫婦は2013年、ふるき産婦人科に対し、医療ミスが原因だとして介護費や慰謝料など計約1億円を求めて提訴。京都地方裁判所で係争しています。

 訴状などによると、京田辺市に住む30歳代の妻は妊娠中から、ふるき産婦人科で検診を受け、異常はなかったといいます。2011年4月、ふるき産婦人科は分娩監視装置を装着せず、無痛分娩のための硬膜外麻酔を実施し、さらに陣痛促進剤を注入しました。吸引分娩と腹部を強く押した後に、帝王切開で出産しましたが、長女は仮死状態で出生しました。ふるき産婦人科は約4時間後に、宇治市の総合病院に転院させました。

 夫婦側は、「産婦人科診療ガイドラインに定められた監視装置を装着せずに陣痛促進剤を使用し、硬膜外麻酔を実施した」と指摘した上で、「促進剤を過剰投与し、高濃度の麻酔を使用し、決められた妊婦の血圧測定もしなかった結果、低酸素脳症を発症させた」と主張しています。

 ふるき産婦人科は取材に対し、「裁判になっていることなので取材に応じられない」と話しました。

 ふるき産婦人科を巡っては、無痛分娩のための硬膜外麻酔ミスで京都市左京区の母子、京田辺市の母子の計4人が意思疎通や自発呼吸ができなくなるなど重度障害を負ったとして、2件の医療過誤訴訟が京都地裁に提訴されています。

 

 2017年6月15日(木)

■過去にアスベスト使用の公営住宅、全国に2万2000戸以上 民間団体が調査

 

 発がん性のあるアスベスト石綿)が過去に使われていた公営住宅が全国に少なくとも2万2000戸以上あることが、民間団体「中皮腫アスベスト疾患・患者と家族の会」などの調査で明らかになりました。

 かつて公営住宅に長年住み、最近になってアスベスト特有のがんである中皮腫を発症したケースが出てきたため、中皮腫アスベスト疾患・患者と家族の会などが今年3月から始めた全国の労働基準監督署への聞き取りや情報公開請求を通じて、国や全国の自治体が保管していた公営住宅の管理台帳などを詳しく分析しました。

 その結果、肺がんや中皮腫などの深刻な健康被害を引き起こすアスベストが過去に使われていた公営住宅が全国に2万2000戸以上あることが、初めて明らかになりました。内訳は32都道府県にある公営住宅約8700戸と、6都府県の都市再生機構(UR)の住宅や都営住宅など約1万3500戸で、その多くが1988年以前に建設されています。

 ただし、自治体などによっては、公営住宅を解体したり記録を廃棄したりして把握し切れていないところもあり、実際にアスベストが過去に使われた公営住宅はさらに増える見込みです。

 公営住宅アスベストを巡っては、危険性が明らかになった1988年以降、国が全国の自治体などに対策工事を行うよう通知しましたが、国は公営住宅での具体的なアスベストの使用実態を把握していなかったほか、自治体も対策工事が行われる前の住民への十分な注意喚起は行っていませんでした。

 さらに、公害などのリスク評価に詳しい東京工業大学の村山武彦教授が、アスベストが使われた2万2000戸の公営住宅のうち、対策工事が行われる前の住民について分析したところ、アスベストを吸い込んだ可能性のある人は、23万人余りに上ると試算されました。

 村山教授は、すべての住民に健康被害が生じるわけではないとした上で、「公営住宅に使われたアスベストによって、がんなどを発症する危険性は否定できない。国や自治体は過去の記録をもとに、対策工事が行われる前に住んでいた人を中心に、情報の提供や注意の呼び掛けを進める必要がある」と指摘しています。

 住宅の壁や天井を強くするために吹き付けて用いられたアスベストについて、国は1988年に空気中に飛び散る危険性が高く、肺がんなどの原因になるとして、全国の自治体に対し公営住宅での除去や封じ込めなどの対策工事を行うよう求める通知を出したほか、2005年からは国土交通省などが都道府県や市区町村に対し、対策工事がどの程度進んでいるか年に一度、報告を求め調査してきました。

 しかし、この調査では、国はアスベストが使われた公営住宅の件数などしか把握していなかったほか、都道府県や市区町村も一部を除いて住宅の名称や所在地を公表しておらず、対策工事が終わる前に住んでいた人への注意喚起もほとんど行っていませんでした。

 中皮腫アスベスト疾患・患者と家族の会は、ホームページ(https://sites.google.com/site/tatemonosekimen/)で、アスベストが使用されていた公営住宅の名称のほか、住宅の建設年度や対策工事が行われた時期など、住民がアスベストを吸い込んだ可能性がある期間についての情報を掲載し、かつて住んでいた人たちに注意を呼び掛けています。

 

 2017年6月14日(水)