健康創造塾

各種の健康情報を発信

■75歳以上のドライバー、1万人超が認知症の恐れ 検査強化した2か月半で

 

 75歳以上の高齢ドライバーの認知機能検査を強化した改正道路交通法が施行された3月12日から5月末までの約2カ月半で、運転免許更新時などに「認知症の恐れがある」と判定された人が1万1617人(暫定値)に上ることが23日、警察庁のまとめで明らかになりました。

 このうち8・5%の987人が医師のアドバイスなどで、運転免許を自主返納しました。

 警察庁が高齢ドライバー事故対策の有識者会議で、報告しました。

 改正道交法は、3年ごとの運転免許更新時などに行われる認知機能検査で「認知症の恐れがある」と判定された場合に、医師の診断を受けることを義務化。認知症とされると運転免許取り消しか、運転免許停止になります。逆走や信号無視などの違反をした際は更新とは関係なく、臨時検査が課されます。

 改正法施行後、5月末までに判断力や記憶力を測定する認知機能検査を受けたのは運転免許更新時の41万6608人と、臨時の1万4730人の合計43万1338人で、うち2・7%に当たる1万1617人が「認知症の恐れがある」と判定されました。1299人が新たに義務付けられた医師の診断を受け、14人が認知症とされて免許を取り消されました。

 自主返納は改正道交法の施行後から5月末までに10万2990件(暫定値)で、75歳以上が半数超の5万6488件を占めました。

 「認知症の恐れがある」と判定された人は公安委員会の命令から3カ月以内に診断書の提出義務があることから、警察庁認知症と診断される高齢者はさらに増えるのではないかとして、自治体などと連携しながら処分を受けた高齢者の移動手段の確保などの取り組みに力を入れることにしています。

 認知機能検査は、当日の日付や曜日を答える「時間の見当識」、絵を見て簡単な質問に答える「手がかり再生」、時計の文字盤に時刻を書く「時計描画」の3項目。認知症の恐れ(第1分類)、認知機能低下の恐れ(第2分類)、問題なし(第3分類)に判定されます。

 

 2017年6月26日(月)

■医療ミスなど繰り返すリピーター医師、4年間で27人 日本医師会がまとめる

 

 医療ミスや不適切な医療行為を繰り返していたとして、2013~2016年度の4年間で、27人の医師に再発防止が指導・勧告されていたことが25日、日本医師会(日医)のまとめで明らかになりました。

 日医会員が医療事故に備えて加入する保険の支払い請求が多いケースについて、治療経過などを調べて判定しました。民事裁判などでも被害者が異なるミスの繰り返しが表面化することは少なく、実態の一端が初めて浮かび上がりました。

 医療ミスを繰り返す医師は「リピーター」と呼ばれ、重大な医療事故が相次いだ1999年ごろからたびたび問題視されてきました。昨年12月には、愛媛県内の産婦人科医院で2005年以降に死亡3件を含む6件の重大事故が起きていたことが発覚し、県が立ち入り検査を行いました。

 しかしながら、リピーター医師を見付け出す国の仕組みはなく、2015年10月に始まった「患者の予期せぬ死亡事故」があった医療機関に院内調査と第三者機関への報告を義務付ける医療事故調査制度でも、把握できません。

 国内の医師約31万人のうち、約12万人は日医と保険会社が共同で運営する「医師賠償責任保険」に加入しています。医療事故で患者や家族への支払い義務が生じた際の保険で、日医は会員医師から請求があれば治療内容や結果を調べ、査定しています。

 日医は2013年8月から、この仕組みを医師の倫理と資質の向上に活用。弁護士らで作る指導・改善委員会が、医師側に問題がある事故重複例をリピーターと判定しています。日医によると、2013年度に2人、2014年度に10人、2015年度に7人が該当し、25日に開かれた定例代議員会で、2016年度は8人と報告されました。医師の氏名やミスの内容は明らかにしていません。

 対象となった医師は、所属する都道府県医師会から、重い順に指導、改善勧告、厳重注意のいずれかを受けます。東京都医師会はこれまでに3件の指導をし、幹部が事故の経緯を聞き取った上で、危険性の高い手術を今後行わないと誓約する書面を提出させるなどしたといいます。

 損害保険の請求実績からリピーター医師をあぶり出す日本医師会の取り組みは、医療界自ら実態把握を進めるという点で評価できます。重要なのは、これを問題がある医師の再教育や排除に確実につなげ、医療安全の向上に役立てること。

 厚生労働相には医師の業務停止や免許取り消しの権限があり、年2回、医道審議会厚労省から報告があった医師の審査をしています。しかしながら、対象になるのは、診療報酬の不正請求や医療行為と直接関係のない刑事処分を受けたものが大半。医道審議会は2002年、刑事罰を受けていなくても明白な注意義務違反がある医療事故は処分対象とする方針に改めたものの、ミスの繰り返しを理由とした処分は2012年の戒告1件しかなく、形骸化も指摘されています。

 日医の取り組みは、強制力を伴わな指導・勧告で、ミスの内容も公表しないため、再発防止に向けた実効性や透明性に課題も残ります。医療事故の遺族で「患者の視点で医療安全を考える連絡協議会」代表の永井裕之さんは、「せめて医療界の中だけでも情報共有して背景や深層を追究してほしい」と訴えています。

 

 2017年6月26日(月)

■てんかん薬成分でも無届けで材料変更 国内大手の原薬メーカー

 

 自社製の風邪薬の成分「アセトアミノフェン(AA)」に安価な中国製を無届けで混ぜ、製薬会社に出荷していた国内大手の原薬メーカー「山本化学工業」(和歌山市)が、てんかんなどの治療薬の成分「ゾニサミド」の製造でも、無届けで使用材料を変更していたことが26日、明らかになりました。

 厚生労働省和歌山県が5月下旬に立ち入り調査した際に、原料を溶かす溶媒を国側に届け出ずに勝手に変更して、ゾニサミドを製造していたことが発覚しました。

 厚労省は、無断で変更することを禁じた医薬品医療機器法(薬機法)に違反しているとみています。成分の品質に問題はなく、すでに市場に出回っている治療薬の回収などは必要ないと判断しています。

 山本化学工業は自社製の解熱効果がある風邪薬の成分に、安価な中国製を1~2割混ぜて水増ししていたことが、すでに明らかになっています。

 一連の問題で、指導権限を持つ和歌山県が近く業務停止命令などの行政処分を出す見通し。

 

 2017年6月26日(月)

■産科婦人科学会、神戸の医師を会員資格停止に 受精卵検査違反で

 

 日本産科婦人科学会は24日、理事会を開き、体外受精させた受精卵のすべての染色体を調べ、異常がないものだけを子宮に戻す「着床前スクリーニング(PGS)」を学会指針に反して実施したとして、神戸市の大谷レディスクリニック院長の大谷徹郎医師に対し、会員資格と産婦人科専門医の資格を3年間停止する懲戒処分にしました。

 今後、会員として学会発表などが不可能になるほか、専門医を名乗ることができなくなります。

 学会の指針は、受精卵検査は重い遺伝性の病気などに限定しており、PGSについては「命の選別」や男女産み分けにつながるとの懸念から認めていません。

 しかし、大谷レディスクリニックは2011年以降、PGSを実施しているといいます。学会は昨年3月、大谷医師を譴責(けんせき)処分にし、PGSを中止する誓約書を出すよう求めました。その後、大谷医師側から誓約書が提出されなかったため、さらに重い処分にしました。

 大谷医師は2004年にも着床前検査の実施で学会を除名されましたが、指針を守る誓約書を出して復帰していました。

 学会は今年2月、PGSが妊娠率や流産率の改善効果があるか検証するため、一部の施設で100組の夫婦を対象に臨床研究として実施すると発表。大谷レディスクリニックは含まれていませんでした。

 日本産科婦人科学会の苛原(いらはら)稔・倫理委員長は、「(PGSが)出産率に寄与するか否か、まだ結論が出ておらず、学会の見解を守って欲しいと伝えてきたが守られなかった」と述べました。

 一方、大谷医師は処分に対し、「妊娠しやすくて流産しにくい治療を受けることは患者様の基本的人権です。学会の処分とは関係なく、治療を続ける」とする声明を出しました。

 また、母親の血液で胎児の染色体異常を調べる新型出生前診断を、学会指針に反して実施していた奥野病院(大阪市)について、学会は昨年12月に譴責処分にし、さらに重い処分も検討していましたが、奥野幸彦院長から学会の退会届が提出されたとして受理されました。

 

 2017年6月26日(月)

■山梨大、脳機能修復を促す細胞を発見 脳卒中の予後治療に期待

 

 山梨大学医学部薬理学講座の小泉修一教授(神経科学)らの研究チームは、脳卒中が起きた後、傷ついた細胞を「食べる」ことで脳の修復を促す新たな細胞を発見しました。慶応義塾大学、生理学研究所新潟大学群馬大学との共同研究。

 成果は22日付で、イギリスの電子科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載されました。

 脳卒中は国内での死因として4番目に多い病気で、患者数も約120万人と多く、命を取り留めても、まひや言語障害などの重篤な後遺症が残ることが問題となっています。脳の血流が滞り、酸素や栄養が細胞に届かなくなることで、細胞が徐々に死滅していきます。

 研究チームは、脳に栄養を供給するなどの機能を持つことが知られている脳の細胞「アストロサイト」に注目。脳卒中モデルのマウスで観察すると、ダメージを受けて傷ついた細胞の切れ端や壊れた細胞から漏れ出した成分を、包み込んで「食べる」様子が観察されました。

 この食べる働きは、不要なものを脳から除去するための仕組みで「貪食(どんしょく)性」と呼ばれる。これまで別の脳細胞「ミクログリア」が貪食性を持つ細胞として知られてきましたが、アストロサイトも同様の機能を持つことが確認されました。

 また、ミクログリアとアストロサイトは活動する時期や場所が異なることもわかりました。ミクログリアは発病直後にダメージを受けた中心部に集まり、死んだ細胞をまるごと食べます。一方、アストロサイトは発病1週間後をピークに働き、周辺の傷ついているものの、まだ生きている細胞の傷ついた部分を選択的に食べていることがわかりました。

 小泉教授は、「2つの細胞で役割分担をして、特にアストロサイトは発病後の神経機能の回復に重要である可能性がある」と指摘しています。

 研究チームは、アストロサイトが貪食性を獲得するのにタンパク質「ABCA1」が必要であることも発見。小泉教授は、「ABCA1をコントロールできる薬が見付かれば、脳卒中の予後やリハビリのプログラム開発に役立つかもしれない」としています。

 

 2017年6月25日(日)

■血友病のマウス、ゲノム編集で治療成功 自治医大が発表

 

 遺伝子を効率よく改変できる技術「ゲノム編集」を使い、血友病のマウスを治療することに成功したと自治医科大学東京大学の研究チームが発表しました。

 血が止まりにくい遺伝性の病気である血友病は現在、出血時に血小板を補強して血を固める凝固因子を定期的に補充する対症療法しかありませんが、根本治療につながる成果と期待されます。論文が23日、イギリスの科学誌に掲載されました。

 自治医大の大森司教授(病態生化学)らは、遺伝子を操作して、凝固因子が正常に働かないようにした血友病マウスを作製。異常な遺伝子を切断する酵素と正常な遺伝子を、ゲノム編集で最も普及している「 CRISPR・Cas9」(クリスパー・キャスナイン)」という技術を組み込んだ運び役のウイルスに入れて注射しました。

 その結果、運び役のウイルスは、凝固因子を作る肝臓の細胞に感染。凝固因子が正常に機能しないように変異した遺伝子を酵素が切断し、そこに正常な遺伝子が組み込まれました。

 血友病のマウスは凝固因子が全く機能していませんでしたが、この治療で10%から20%の凝固因子が働くようになりました。止血効果は、十分あるといいます。

 血友病を巡っては、アメリカなどで正常な遺伝子を体内に入れて治療する方法が患者に対して行われていますが、原因となっている異常な遺伝子を修復して根本的に治す動物実験に成功したのは、国内では初めてだということです。

 研究チームによると、人への応用が可能になれば、乳幼児期での根本治療が可能になります。凝固因子のタイプ別でAとBの2種類ある血友病のうち、血友病Bに有効だといいます。

 大森教授は、「大型動物での実験を進めるなどして安全性を十分に確認した上で、10年以内に人への臨床応用につなげたい」と話しています。

 鈴木隆史・荻窪病院血液凝固科部長は、「遺伝子変異は人それぞれなので、修復も個別の対応が必要になるかもしれないが、血友病の治療につながる一歩として期待できる」と話しています。

 

 2017年6月24日(土)

■肺の病気診断をAI支援で10分ほどに短縮 富士通が技術開発

 

  医師の診断に時間がかかるのが課題となっている肺炎などの肺の病気について、人工知能(AI)が支援することで診断時間を短縮できる技術を大手電機メーカーの富士通が開発しました。

 肺炎や肺気腫といった肺の病気の診断は、CTと呼ばれる医療装置で撮影した画像を医師が1枚1枚確認して過去の似た症例と比べることで行うのが一般的です。しかし、医師の高度な知識や過去の経験に頼るところが大きい上、CTの高性能化によって一度の検査で撮影する画像の枚数が1000枚を超えるようになったことから、病名の診断に時間がかかるのが課題となっているということです。

 今回、富士通が開発した技術では、撮影した複数のCTの画像をもとにAIが肺全体を立体的に認識し、学習した過去の症例のデータベースの中から類似した症例を選び出します。その上で、医師が最終的な診断を行うということです。

 大学と共同で行った実験では、この技術を使うことで従来1時間かかっていた診断が10分ほどに短縮できたということです。

 富士通では、将来は経験が浅い医師でも短時間で診断ができるようにさらに開発を続け、実用化を目指すとしています。富士通研究所の馬場孝之主任研究員は、「高齢化が進むにつれて患者も増えてくると思うので、医療現場の業務の効率化に貢献したい」と話しています。

 

 2017年6月24日(土)