健康創造塾

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■がん新規患者86万2452人、2013年推計 微減も2017年は最多101万4000人予測

 

 国立がん研究センター(東京都中央区)は19日、2013年に新たにがんと診断された患者は86万2452人(男性49万8720人、女性36万3732人)との推計値をまとめました。前年の86万5238人より微減したものの、2017年に新たにがんと診断される人は過去最多の101万4000人と予測しました。

 患者数が減ったのはデータの処理方法を国際基準に合わせたためで、がん研究センターは「より実態に近い数値であり、高齢化に伴い患者数も増える傾向は変わらない」としています。

 がん研究センターでは、協力医療機関が新たにがんと診断した患者数を都道府県に報告する「地域がん登録」のデータを収集し、全国のがん患者数を推計。2012年から全47都道府県のデータが出そろい、より高精度な集計ができるようになりました。

 2013年の新規患者を部位別にみると、男性は胃、肺、大腸、前立腺、肝臓の順で、前年3位の肺と2位の大腸が入れ替わりました。女性は乳房、大腸、胃、肺、子宮の順で前年と同じでした。

 がんが見付かった時の進行度は皮膚、喉頭、子宮体部などは早期が多く、膵臓(すいぞう)、肺、悪性リンパ腫は転移した状態が多くなっていました。

 地域別では日本海側で多く、部位別でも胃がん日本海側、肝臓がんは西日本に多いなどの地域差が明らかになりました。

 さらに、がん研究センターは厚生労働省の人口動態統計のがん死者数や、がん研究センターがまとめた全国のがん患者数の推計値などを基に、従来の傾向が続いた場合を前提に2017年のがん患者数を算出。101万4000人(男性57万5900人、女性43万8100人)と予測され、2016年より3800人増えました。

 男性は胃(9万400人)、肺(8万6700人)、前立腺(8万6100人)、大腸(8万5500人)、肝臓(2万7000人)の順で、女性は乳房(8万9100人)、大腸(6万4000人)、胃(4万2400人)、肺(4万2000人)、子宮(2万8100人)の順でした。

 一方、2017年にがんで死亡する人数の予測は37万8000人(男性22万2000人、女性15万6000人)で、前年より4000人増加。男性は減りましたが、女性は増加しました。2人に1人が一生のうちにがんと診断され、男性は4人に1人が、女性は6人に1人ががんで死亡する計算となります。

 死亡者の部位別は肺、大腸、胃、膵臓、肝臓の順。男性は肺、胃、大腸、肝臓、膵臓、女性は大腸、肺、膵臓、胃、乳房の順でした。

 国立がん研究センターがん統計・総合解析研究部の片野田耕太部長は、「去年の予測では男性で最も多かった前立腺がんの患者数が3番目になるなど変化していて、がん対策を強化するために国や自治体は参考にしてほしい」と話しています。

 集計結果は、国立がん研究センターの運営サイト「がん情報サービス」で20日から公開されます。

 

 2017年9月21日(木)

■O157感染、総菜「でりしゃす」全17店を閉店 感染で3歳女児死亡

 

 群馬、埼玉両県の総菜店「でりしゃす」の総菜を食べた男女計22人が腸管出血性大腸菌O157に感染し、東京都の3歳の女児が死亡した問題で、同店を運営する「フレッシュコーポレーション」(群馬県太田市)は20日、でりしゃす全17店舗を閉店したと発表しました。

 フレッシュコーポレーションによると、群馬県の12店舗、埼玉県の2店舗、栃木県の3店舗の全17店舗を19日付で閉店し、営業を終了しました。従業員は、同社が運営する他のスーパーなどで雇用の場を確保するといいます。

 群馬県食品・生活衛生課などは、女児の死亡が13日に明らかになってから、同県内の12店舗への立ち入り検査を続けています。19日までに8店舗の検査を終え、20日以降に残りの店舗を回る予定だったといいます。感染ルートはまだ特定されていませんが、でりしゃすの閉店に伴い立ち入り調査は打ち切るといいます。

 一連の問題は、埼玉県熊谷市の店舗でポテトサラダを買って食べた人から、8月21日にO157が検出されて発覚しました。でりしゃすは、8月24日から全店舗を自主休業していましたが、衛生管理態勢を見直して9月7日に営業を再開していました。

 女児が食べたタケノコやエビの炒め物などの総菜を販売した前橋市の「六供(ろっく)店」は、女児の死亡がわかった後に再び自主休業をしていました。

 フレッシュコーポレーションの広報担当者は、「感染者がたくさん出て、イメージや信用も含めて、総合的に営業の継続は難しいと判断した」と閉店の理由を説明し、「感染源の特定に向け、引き続き保健所の調査に全面的に協力していく」としています。

 

 2017年9月20日(水)

洞性頻脈

 

精神的な緊張状態の時や運動後に起こる一般的な頻脈性不整脈

 洞性(どうせい)頻脈とは、特別な病気がなくても、精神的な緊張状態の時や運動後に、心臓の拍動が異常に速くなる頻脈性不整脈。洞性頻拍とも呼ばれます。

 心臓には、刺激伝導系(興奮伝導系)という洞結節から始まる電気刺激の通り道があります。洞結節で発生した電気刺激が正しく心臓全体に伝わり、心臓が正常な拍動のリズムを示している状態を洞調律(洞リズム)と呼び、成人の場合の安静時の正常な拍動数は、1分間に60~80回です。それが1分間に100回以上になったものが、洞性頻脈に相当します。

 心臓は交感神経や副交感神経などの自律神経によって支配されており、交感神経が優位になると洞性頻脈が起こります。精神的な緊張状態の時は、交感神経の活動が優位になっているため、交感神経の活動が高進して洞性頻脈が起こります。

 通常は、何もしなくても時間の経過とともに洞性頻脈は収まりますが、常に精神的な緊張状態が続いたり、ストレスにさらされ続けると、洞性頻脈が起こります。これは、一種のストレス病です。

 交感神経の活動の高進によるもの以外に、心不全や肺疾患、また甲状腺(こうじょうせん)機能高進症や更年期障害、貧血や出血、あるいは、常用している血圧降下剤などの薬が原因で、洞性頻脈が起こる場合もあります。

 洞性頻脈は、急に拍動が速くなるのではなく、普通は徐々に拍動が速くなり気が付いた時には動悸(どうき)が強くなります。一般には緊張状態やストレスから解放された時、特に夕方から就寝時に起こりやすくなります。不安感が強いと、動悸がより強く感じるようになり、悪循環に陥ります。

 交感神経の活動が高進し、洞結節からの電気刺激が頻発しても、刺激伝導系は洞調律を示します。そのため、洞性頻脈に特徴的な心電図波形の変化はありません。しかし、正常な状態に比べて1分間に100~140回程度に拍動数が増えています。

 頻脈になるにつれて、血圧の上昇、発汗などが起こりやすくなります。人によっては、下痢や腹痛などが起こることもあります。

洞性頻脈の検査と診断と治療

 内科、循環器科、循環器内科、不整脈科、不整脈内科の医師による診断では、まず一般的な心臓病の検査を行い、心臓の疾患の有無を判断します。

 さらに、呼吸器疾患や貧血、甲状腺などの疾患の有無について調べ、それらが除外された場合に、動悸と心電図での心拍数の増加以外には変化がないこと、精神的な緊張状態にあることなどから、洞性頻脈と判断します。

 内科、循環器科、循環器内科、不整脈科、不整脈内科の医師による治療では、動悸の自覚症状が強い時には、薬を使用します。一般的な薬としては、動悸を沈めるためにβ(ベータ)遮断薬やカルシウム拮抗(きっこう)薬の一種であるワソランなどを使用します。また、抗不安薬を使用することもあります。

 定期的に薬の内服を指示することもあれば、動悸を自覚する時だけ内服するように指示することもあります。

 洞性頻脈は無害な頻脈性不整脈ですが、動悸に対する不安感が極度に強いと胸痛、呼吸困難、めまいなどより大きな症状を感じて、心臓神経症と呼ばれるようになります。この場合には、心療内科や精神神経科の医師の診察が必要になります。

 

■ブドウやリンゴ含有の化合物に、がん細胞の増殖抑える効果 信州大農学部が確認

 

 信州大学農学部(長野県上伊那郡南箕輪村)の真壁秀文教授(生物有機化学)らの研究チームが18日までに、ブドウやリンゴなどに含まれる化合物「エピカテキンオリゴマー」にがん細胞の増殖や臓器への転移を抑制する効果があることを確認しました。

 研究チームは、がんの抑制効果がある化合物を特定した例はほとんどなく、がん治療への応用が期待できるとしています。

 研究チームは、真壁教授と信州大バイオメディカル研究所の藤井博教授(分子生物学)、同大農学部の梅沢公二助教(構造生物学)らで、2012年から共同で研究に取り掛かりました。藤井教授が当時、ブドウの抽出物に、がん細胞の増殖や臓器への転移を抑制する効果がある物質が含まれていることを突き止めていましたが、物質の特定には至っていなかったといいます。

 研究チームで分析を進めた結果、物質はブドウに含まれる渋味成分で、ポリフェノール化合物の一種「エピカテキン」が複数連結したエピカテキンオリゴマーと判明しました。エピカテキンオリゴマーはリンゴや小豆、カカオなどにも含まれているといいます。

 研究チームは、エピカテキンオリゴマーの効果を検証。真壁教授がエピカテキンを2つから6つ連結したエピカテキンオリゴマーを合成し、梅沢助教が分子構造を確認。藤井教授が、前立腺がんの細胞にエピカテキンオリゴマーを混ぜ、人工的に作った細胞組織にがん細胞がどれだけ転移するかを調べました。

 共同作業の結果、エピカテキンを4つつなげたエピカテキンオリゴマーでは転移したがん細胞の数が減り、連結数が5つ、6つのエピカテキンオリゴマーではさらに減ることが明らかになりました。

 研究チームの論文は8月、国際学術誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載されました。

 藤井教授は「いろんな分野の研究を組み合わせたからこそ得られた成果」とし、真壁教授は「食べ物を研究対象とする農学部らしさを示せたのではないか」としています。

 

 2017年9月19日(火)

■無痛分娩で第1子を死産、夫婦が順天堂医院を提訴 一時心肺停止に陥り子宮破裂

 

 麻酔でお産の痛みを和らげる無痛分娩(ぶんべん)で子供が死産したのは医師らの過失が原因だとして、順天堂大学医学部附属順天堂医院 (東京都文京区)に入院していた女性と夫が、運営する学校法人と医師らに計約1億4000万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴していたことが19日、明らかになりました。

 提訴を起こしたのは15日で、訴状によると、女性は無痛分娩で第1子の女児を出産するため順天堂医院に予約し、陣痛が始まった2015年2月4日に入院。5日から陣痛促進剤の投与が始まり、その後、吐き気や下腹部の痛みなどが生じ、6日午後7時ごろから約30分間心肺停止に陥りました。胎児は死産となり、病院側からは子宮破裂と説明されました。

 原告側は、陣痛の痛みを和らげる無痛分娩では、医師や助産師が妊婦の状態を厳重に監視しなければならなかったのに、子宮破裂の兆候を見逃したと主張しています。女性に事前説明のないまま陣痛促進剤を連続投与し、子宮破裂を引き起こした可能性があり、帝王切開のタイミングも逸したとして、胎児の命や母体を守る注意義務に違反したと訴えました。女性は子宮を全摘し、妊娠できない状態になったといいます。

 19日に東京都内で会見した原告側代理人の貞友義典弁護士は、「無痛分娩では先駆け的な病院で被害が生じた。世間への警告の意味もあって提訴した」と説明しました。順天堂医院は高度な医療を提供する「特定機能病院」に指定されていますが、貞友弁護士は同日、「無痛分娩に欠陥があった」などとして、厚生労働省に指定を取り消すよう書面で申し入れました。

 順天堂医院管理課は、「訴状が届いておらず、コメントは差し控えたい」としています。

 無痛分娩を巡っては、今春以降、大阪府兵庫県京都府、愛知県の5医療機関(うち1医療機関は閉院)で計7件の産科麻酔を巡る事故が発覚。兵庫県と愛知県の事故の2遺族から厚労省などに対し、再発防止を求める要望書が提出されており、厚労省が実態把握を進めています。

 

 2017年9月19日(火)

■コーヒーを多く飲む人、欧州でも死亡リスク低下を確認 45万人を調査

 

 コーヒーは世界で最も多く飲まれている飲料の1つで、さまざまな成分を含んでいます。これまでにも、コーヒーの摂取は健康によい影響を及ぼすという報告は複数ありましたが、それらは主にアメリカ人を対象に行われた研究の結果でした。

 そこで、フランスに本部を置く国際がん研究機関(IARC)は、コーヒー摂取と死亡の関係がほかの地域に住む人々にもみられるのかどうか、そして、コーヒーの摂取が特定の死因による死亡リスクを減らしたり高めたりするのかどうかを明らかにしようと考え、欧州10カ国の市民を対象に研究を行いました。

 研究対象にしたのは、デンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、ノルウェー、スペイン、スウェーデン、イギリスの一般市民で、主に35歳以上の45万1743人(男性13万662人と女性32万1081人)。

 コーヒーの摂取量は食物摂取頻度調査の中で尋ね、ライフスタイル質問票を用いて、学歴、喫煙、飲酒習慣、運動量などに関する情報も収集しました。

 当初のコーヒーの摂取量に基づいて、国ごとに対象者を分類。まず、全く飲まないグループを参照群として設定し、残りの人々を摂取量が最も少ないグループから最も多いグループまで4等分しました。主に比較したのは、参照群と、最もコーヒーの摂取量が多いグループで、このグループの1日当たり摂取量の中央値は男性が855ミリリットル、女性が684ミリリットル。

 コーヒーの摂取量調査から平均16・4年追跡したところ、4万1693人(男性1万8302人、女性2万3391人)が死亡していました。うち1万8003人ががん、9106人が循環器疾患、2380人が脳血管疾患(脳梗塞脳出血など)、3536人が虚血性心疾患(心筋梗塞など)、1213人が消化器疾患、1589人が呼吸器疾患で死亡しており、1571人が外傷性の死亡、418人は自殺による死亡でした。

 これらの死亡とコーヒーの摂取量との関係を分析したところ、コーヒーを全く飲まないグループに比べ、コーヒーを最も多く飲むグループのあらゆる原因による死亡(総死亡)のリスクは、男性で12%、女性では7%低下していました。これらの差は、統計学的に意味のあるレベルでした。

 また、コーヒーを飲む量が多い人ほど総死亡リスクが低いことも、示唆されました。コーヒー1杯を237ミリリットとすると、1日の摂取量が1杯増加するごとに、総死亡リスクは男性が3%、女性は1%低下していました。

 欧州では国ごとに、好まれるコーヒーの抽出方法が違っています。しかし、各国のコーヒーの摂取量と死亡との関係に差はなく、抽出方法にかかわらず、より多く飲む人の死亡リスクが低い現象が一貫して認められました。

 コーヒーの摂取は、消化器疾患による死亡リスクの低減とも関係していました。1日の摂取量が1杯増加するごとのリスク低下は、男性が23%、女性は14%でした。

 消化器疾患による死亡の3分の1強は、肝臓の病気による死亡でした。男女合わせて分析したところ、コーヒーを全く飲まないグループと比較して、最も多く飲むグループの肝臓病による死亡リスクは80%低いことが明らかになりました。肝硬変による死亡リスは79%低く、肝臓がんによる死亡リスクは40%前後低くなっていました。一方で、肝臓病以外の消化器疾患による死亡リスクは、統計学的に意味のある低下を示しませんでした。

 男女に差がみられた項目もありました。循環器疾患による死亡と脳血管疾患による死亡では、女性においてのみ、コーヒー摂取量が最も多いグループでリスク低下が認められました。一方で、がんによる死亡、および卵巣がんによる死亡は、いずれも女性においてのみ、コーヒー摂取量が最も多いグループでリスクが上昇していました。

 以上のような関係は、カフェインを含むコーヒーと含まないコーヒーの摂取量を別々に分析しても同様に認められました。

 研究を行った国際がん研究機関のマーク・グンター博士は、「重要なことは、コーヒーを飲む文化や伝統が多様な欧州10カ国すべてで、コーヒーを毎日飲むことで健康を得られるという同じ結果が出たことだ。これはコーヒーに含まれる成分に余命を延ばす効果があることを示している」と述べています。

 

 2017年9月18日(月)

■光で操作してiPS細胞を神経細胞に分化 東大、制御技術を開発

 

 東京大学大学院総合文化研究科の佐藤守俊教授らの研究チームは、さまざまな組織に育つiPS細胞(人工多能性幹細胞)を光で刺激して神経細胞に変える手法を開発しました。

 光を当てると特定の遺伝子が働くような仕掛けをiPS細胞に組み込みました。同じ原理で、iPS細胞を神経細胞以外に変えるのも簡単だといいます。細胞の機能を光で制御する技術に道を開く成果で、生命現象の解明や病気の研究に役立ちます。

 研究チームは「クリスパー・キャス9」というゲノム(全遺伝情報)編集技術を応用して、光に反応するタンパク質などをiPS細胞に送り込み、神経細胞へ変えるタンパク質の生産を促しました。

 実験では、iPS細胞に青色の光を当てると特定の遺伝子の働きが高まり、iPS細胞が神経細胞に変化しました。

 これまでも、薬剤を投与してiPS細胞を神経細胞に変える手法はありましたが、今回の手法は光を当てた時に遺伝子の働きが高まり、iPS細胞の変化を自由に制御できます。

 今後は同じ原理を応用して、神経細胞以外の細胞への変化も光で制御できるようにしたいといいます。

 光の刺激で遺伝子の働きを調節する手法は、「光遺伝学」として注目されています。ゲノム編集技術も、従来の遺伝子組み換え技術に比べて桁違いに高い精度で遺伝子を改変できるとして、研究が盛り上がっています。

 

 2017年9月18日(月)