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健康創造塾

各種の健康情報を発信

■抗がん剤の効果を大規模調査 厚労省など、高齢者の治療指針作成へ

 

 高齢のがん患者に対する抗がん剤の使用を巡って、厚生労働省は27日、患者によっては負担が大きく、効果が見込まれないケースもあるとして、抗がん剤を使用した患者と使用しなかった患者の生存期間などを比較する大規模な調査を行う方針を固めました。

 厚労省によりますと、抗がん剤を使ったがんの治療は効果が見込まれる一方で、患者によっては副作用の負担が大きいほか、高齢の患者はほかの病気を併発していることも多く、効果が見込まれないケースもあるということです。

 国立がん研究センターが2008年までの2年間に同センター中央病院を受診した末期の肺がんの患者約200人を対象に、抗がん剤治療を受けた患者と受けなかった患者の生存期間を調査したところ、75歳未満では抗がん剤治療を受けたほうが生存期間が長い一方で、75歳以上では差が認められなかったということです。

 しかし、75歳以上の調査は対象が19人と少なく、統計的に意味のある結果は得られていないとして、厚労省国立がん研究センターはさらに大規模な調査を行う方針を固めました。具体的には、全国の病院でがん患者の情報を登録している「がん登録」を活用して、より多くの患者の治療データを分析します。

 厚労省はまた、高額な抗がん剤の使用拡大や高齢化などによって医療費の増大が課題となっていることも踏まえ、新たな調査結果を基に、高齢の進行がん患者に対する抗がん剤治療の指針(ガイドライン)を作成する方針です。延命効果と痛みなどの副作用や、患者が生活の質(QOL)を維持できるかなどの面を併せて検討し、指針に反映させます。

 日本の人口は、2025年に65歳以上が3割を超えるとされ、がん患者の高齢化も進みます。国立がん研究センターによると、2012年に新たにがんと診断された約86万人のうち、75歳以上は約36万人と推計されています。

 

 2017年4月28日(金)

■自殺者を10年で30%以上減らす目標を設定 厚労省が自殺対策を見直し

 

 厚生労働省有識者検討会は26日、自殺対策の国の指針となる「自殺総合対策大綱」の5年に1度の見直しに向けた報告書を大筋で了承しました。

 今後10年間で、人口10万人当たりの自殺者数を示す「自殺死亡率」を2015年と比べて30%以上減らす目標を掲げ、過労自殺対策などの推進を盛り込みました。今夏に新たな自殺総合対策大綱を閣議決定します。

 国内の自殺者数は、2012年に3万人を切り、2016年が2万1897人と7年連続で減少しました。しかし、報告書は「年間2万人を超える深刻な状況がいまだ続いており、楽観できない。主要先進7カ国の中で日本の自殺死亡率は最も高い」と国内の現状を問題視。

 世界保健機関(WHO)の調査によると、アメリカの自殺死亡率は2014年に13・4人、イギリスは2013年に7・5人。日本は2015年が18・5人だったため、2026年までに13・0人以下へと2015年と比べて30%以上減らし、自殺者数を1万4000~1万5000人以下とすべきだとする新たな目標を掲げました。

 現在の自殺総合対策大綱に基づく目標は、2016年までの10年間で自殺死亡率を20%以上減少させるとしていました。2005年の24・2人と2015年の18・5人を比べると23・6%減少しており、報告書は「目標が十分に達成されている」とした上で、新たな目標の達成に向けてさらなる取り組みの推進が必要だとしています。

 今後の重点テーマとしては、電通の違法残業事件などを踏まえ、過労自殺や職場での人間関係による自殺の対策に取り組むことを挙げました。長時間労働の是正に加え、企業のメンタルヘルス対策を充実させていく方針を明記しました。

 自殺者が減らない若者対策では、学校へのカウンセラー配置のほか「SOSの出し方教育」の推進、インターネットなどを使った若者への支援強化、居場所づくりの支援などを盛り込みます。

 また、妊産婦の自殺対策では、産後うつの早期発見や、乳幼児健診を通じて育児に悩みを抱える母親への支援強化を充実させるべきだとしています。

 このほか、報告書は地域で自殺対策を推進していく中で、都道府県や市区町村には独自の数値目標を掲げ、目標を達成できたかどうか検証するよう求めます。

 自殺総合対策大綱は、2006年施行の自殺対策基本法に基づき、2007年に初めて策定。2012年に現在の自殺総合対策大綱を閣議決定しました。

 

 2017年4月28日(金) 

■超未熟児向け人工子宮でヒツジ胎児が正常に発育 アメリカの病院チーム

 

 透明な液体を満たした人工子宮で、ヒツジの胎児を最長で4週間正常に発育させる実験に成功したとの研究論文が25日、発表されました。超未熟児の死亡や生涯にわたる身体障害を回避する助けになる可能性のある成果だといいます。

 イギリスの科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に発表された研究論文の主執筆者で、アメリカのペンシルベニア州フィラデルフィア小児病院の胎児外科医のアラン・フレイク氏は、「このシステムは子宮内での胎児の自然な発育が継続するように設計されている」と話しています。

 フレイク氏は電話記者会見で、「それが、このシステムの優れた点であり、超未熟児に現在行われている対応策の改良につながると楽観している理由でもある」と語りました。

 現在、妊娠期間が40週ではなく22~23週程度で生まれる新生児は、生存率が50%で、生存した場合でも90%の確率で重度の長期的な健康問題が発生するとされています。

 子宮内の生活を再現する今回の最新システムは、人への使用が承認されれば、これらの確率を大幅に改善するかもしれません。

 研究チームはアメリカの食品医薬品局(FDA)と協力して、人の新生児への臨床試験の準備を進めており、安全性と有効性が証明されれば、人工子宮システムは3年以内に利用できる可能性があるといいます。

 今回の研究では、ヒツジの胎児6匹を妊娠105~112日(人の妊娠23~24週目に相当)の時点で、母親の子宮内から人工子宮に移して、最大28日間発育させる実験を行いました。

 合成羊水で満たした透明なポリエチレン袋で作った人工子宮内で、胎児は機械式のポンプを使わずに合成羊水を呼吸。へその緒が管を通して袋の外部の機械につながれており、この機械が内部を通る血液に対して二酸化炭素(CO2)の除去と酸素の供給を行いました。

 ヒツジの胎児は人工子宮内で、「正常な呼吸と嚥下(えんげ)を示し、目を開け、毛が生え、動きがさらに活発になり、成長、神経機能、臓器の成熟のすべてが正常だった」といいます。

 実験に使われたヒツジのほとんどは人道的に殺して、脳、肺、そのほかの臓器を調べました。数頭は哺乳瓶で栄養を与えて育てたところ、あらゆる面で普通に発育し、そのうちの1頭はペンシルベニア州の農場で暮らしています。

 研究チームによると、人工子宮の研究は50年以上の歴史があり、これまでの発育記録は、東京大学が1990年代にヤギの胎児で達成した3週間が最長。ヒツジは、特に肺の発達が人と非常に良く似ているという理由から、出生前治療の実験に長年用いられているといいます。

 

 2017年4月27日(木)

■臓器移植ネットワーク、患者選定の専任部門新設へ ミスの再発防止策

 

 移植患者を選ぶ検索システムに不具合があり、脳死臓器提供者から提供を受けるはずだった2人が心臓移植を受けられなかった問題で、日本臓器移植ネットワークは25日、再発防止策を発表しました。

 患者の選定業務だけをする専任部門と、検索システムの正確さを検証し管理運営を担う情報統括部門を新設します。

 臓器提供を受ける患者の優先順位を決める業務はこれまで、病院間の調整などをするコーディネーターが兼務してきました。5月からは患者選定に特化する部門を設け、責任者を置きます。7月設置を目指す情報統括部門には、外部から責任者を招き、より精度の高いシステムの構築を目指すといいます。

 選定ミスは、昨年10月に導入したシステムのプログラムミスのために起き、本来は優先順位が高く、心臓移植を受けるはずだった患者2人が手術を受けられませんでした。

 門田守人理事長は、「態勢づくりが追い付いていなかった。しっかりしたシステムをつくっていきたい」と話しました。

 

 2017年4月27日(木)

■大阪大、うつ病改善物質を特定 難治性の新薬開発に期待

 

 脳内で作られる特定の物質が、うつ病の改善に効果があることを大阪大学大学院医学系研究科の近藤誠准教授(神経科学)らの研究チームが明らかにし、25日発表しました。

 研究成果は、アメリカの科学誌「モレキュラー・サイキアトリー」(電子版)に掲載されました。

 研究チームは、マウスの脳の海馬を調べ、感情の動きなどにかかわる脳内の神経伝達物質セロトニン」の刺激を受け取る複数の受容体のうち、「セロトニン3型受容体」を持つ神経細胞から、神経細胞の新生を促す「インスリン様成長因子1(IGF1)」という物質が分泌されていることを発見。

 このセロトニン3型受容体に働き掛ける化合物をうつ状態で活動量が低下したマウスに投与すると、IGF1の分泌量が増えて神経細胞の新生が促され、翌日にはうつ状態が改善しました。

 世界保健機関(WHO)の発表では、2015年時点でうつ病を抱える人は世界で推計3億人を超えます。近藤准教授によると、最も広く使われている既存の抗うつ薬でも、十分な効果がない難治性の患者が多いといいます。

 近藤准教授は、「今回の発見で、難治性うつ病の新しい治療薬の開発が期待できる。今回投与した化合物は実験用だが、人で使えるよう研究を進めたい」と話しています。

 

 2017年4月26日(水)

■マラリアワクチンの大規模接種を開始 WHO、アフリカ3カ国で

 

 世界で毎年、数十万人が命を落としている感染症マラリアへの対策として、世界保健機関(WHO)はイギリスの製薬会社が開発した世界初のワクチンを各国に推奨するかどうか判断するため、来年からアフリカで大規模な接種を実施してデータを集めることになりました。

 マラリアは蚊が媒介する感染症で、2015年には世界で2億1200万人が感染し、約43万人が死亡しました。かつては世界各地にみられましたが、治療薬の普及などに伴い、現在は感染者の90%がアフリカ大陸のサハラ砂漠以南に集中。特に5歳未満の子供の死亡率が高く、国連は2040年までの制圧を目指していますが、感染しないように予防するワクチンの開発と実用化が鍵となります。

 マラリアへの対策としてWHOは24日、イギリスの大手製薬会社、グラクソ・スミスクラインが開発したワクチンを各国に推奨するかどうか判断するため、来年からアフリカで大規模な接種を実施し、データを集めると発表しました。

 このワクチンで効果を高めるためには4回の接種が必要となるため、医療や保健が不足している地域でどれだけ接種が達成できたかや、ワクチンの予防的効果などについて調べるということです。

 対象となるのは、ケニアとガーナ、マラウイの3カ国の生後5カ月から17カ月の子供で、合わせて30万人以上が接種を受ける見通し。

 WHOは接種の開始から5年をめどに、推奨に向けた結論を出したいとしており、予防に成功すれば人類を長年苦しめてきたマラリア制圧へ大きな一歩となります。ワクチンの効果については欧州連合(EU)の専門機関が2015年、肯定的な評価を示しています。

 WHOのアフリカ地域担当者は、「マラリアのほかの対策と合わせれば、アフリカで何万人もの命を救えるかもしれない」と話しています。

 

 2017年4月26日(水)

■偽造C型肝炎薬、和歌山市内の病院も購入 患者には処方されず

 

 高額のC型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品15本が流通した問題で、和歌山市内の病院が今年1月、医薬品の卸売販売業の許可を持たない大阪市内の業者から偽造品2本を仕入れていたことが、厚生労働省などの調査で明らかになりました。

 病院の運営者と無許可業者は家族関係にあり、厚労省などは、病院側が家族経営の会社を介して正規ルートよりも安く医薬品を購入していたとみて調べています。一連の問題で、偽造品が医療機関に納入されたことが明らかになるのは初めて。

 厚労省和歌山県大阪府によると、東京都千代田区の医薬品卸売販売業者「大興薬品」から、大阪市東住吉区で介護サービス事業を展開する無許可業者が今年1月、正規品を含む3本を購入。このうち外箱や添付文書(説明書)のない偽造品2本を和歌山県内の病院が購入していました。

 この直後、奈良県内の薬局チェーン「関西メディコ」でハーボニーの偽造品が見付かったため、病院は患者に処方する前に大興薬品に返品したといいます。

 今回の販売ルートは、大興薬品を東京都などが調査する過程で判明したといいます。東京都は12日、無許可業者に販売したとして、大興薬品に医薬品医療機器法に基づく8日間の業務停止命令を出しました。

 大阪府は今年2月、東住吉区の業者に立ち入り調査し、行政指導を行いました。

 和歌山県も2月、厚労省などからの情報提供を受けて和歌山市内の病院に4回、立ち入り調査を実施。県の調査に対し、病院の薬局長は「(大阪市の業者が)許可がないという認識はなかった」という趣旨の話をしているといいます。

 

 2017年4月25日(火)